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部品供給寸断で大手自動車メーカー操業停止 東北の下請け、状況注視

 台風19号が自動車の生産に影響を与えている。東北をはじめとする各地の部品メーカーが被災するなどし、サプライチェーン(部品の調達・供給網)が寸断。大手自動車メーカーが操業を停止する事態も起き、影響は東北の下請け企業にも及ぶとみられる。各社は停止長期化による業績への波及を回避しようと復旧作業を急いでいる。

 SUBARU(スバル)は16日、国内唯一の完成車工場である群馬製作所(群馬県太田市)のうち、完成車を生産する本工場と矢島工場に加え、エンジン・トランスミッションを担う大泉工場の操業を一部工程を除いて止めた。
 取引先の部品メーカーが浸水などの被害を受け、部品調達に支障が生じたためで、スバルは早期復旧に向けて人員派遣や物的支援を実施。25日の生産再開を目指す。同製作所の1日平均の生産数は約2500台で、生産計画や業績に及ぼす影響は精査中という。
 帝国データバンクが2017年10月に公表した調査によると、東北6県にあるスバルの1次、2次下請け企業は約260社。最も多いのは山形と福島の72社で、宮城の59社が続く。
 山形県の担当者は「停止期間が短く、大きな影響はないとみられるが、対応を注視したい」と話す。宮城県の担当者は「多くの企業はスバルだけでなく、トヨタやホンダとも取引がある。操業停止が他のメーカーにも広がらなければ大丈夫だろう」と語る。
 東日本大震災や熊本地震では、サプライチェーンの寸断で多くの工場が一時停止に追い込まれた。自動車各社は在庫確保や調達先の分散に取り組んでいるが、被害が広域に発生する大規模災害への対応は難しい。
 車載用音響機器などを手掛けるアルパインマニュファクチャリングの赤井工場(いわき市)は、浸水や断水で15日から操業停止が続く。同社はインフラが復旧する27日の生産再開を目指している。
 サプライチェーンへの影響を最小限にとどめるため、一部の部品は親会社の電子部品大手アルプスアルパイン(東京)の宮城県の工場や協力工場で代替生産する。18日には順次、移管先での生産を始めた。
 アルプスアルパインは「被災地域の取引先の状況を確認し、数社からの部品供給が滞る恐れがあることを把握した。各取引先と連携し、納期に影響を与えないようにしたい」と説明する。

[自動車のサプライチェーン]原材料から加工部品を経て、自動車ができるまでの企業間ネットワーク。トヨタ自動車東日本(宮城県大衡村)など完成車メーカーを頂点に、1次、2次下請けといった部品メーカーがピラミッド状の取引関係を構成する。1台当たりの部品数は2万〜3万点とされ、どれか一つが欠けても完成しない。


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2019年10月22日火曜日


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