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仙台の旧笊川氾濫 水門閉め4時間以上排水せず 行政に住民「なぜ」

氾濫した旧笊川の北目橋付近。水門付近に流木が残る=15日午前10時35分ごろ、仙台市太白区郡山

 台風19号に伴う旧笊(ざる)川の氾濫に見舞われた仙台市太白区郡山地区で、行政の河川管理に対し地域住民から疑問の声が上がっている。激しい雨が降った時間帯に水門が閉められ、ポンプ車による排水も大幅に遅れて約20棟が床上浸水。4年前の宮城豪雨を上回る被害となった。
 旧笊川を管理する宮城県によると、12日昼ごろから降り続いた雨で、同地区の北目橋付近で同日午後9時50分ごろに氾濫危険水位を超過。水位計の記録では、川は午後11時20分ごろから翌日午前6時ごろまで水があふれ続けた。
 旧笊川は本流の名取川に注ぐ。水位が上昇した名取川からの逆流を防ぐため、国土交通省仙台河川国道事務所は12日午後11時20分ごろ、旧笊川下流にある水門を閉鎖。水門上流側にある人工の遊水池に水を流した。
 仙台市は12日夜、同事務所に川や遊水池から排水するポンプ車の出動を要請。すぐに手配できず、13日午前3時半ごろ酒田市から応援のポンプ車が到着した。
 降水量の最も多い時間帯に水門が閉められ、約4時間以上、排水もされなかった。北目橋近くに住む無職佐々木隆さん(69)は「ポンプ車の到着が全く間に合わなかった。排水できない中、どうして水門を閉めたのか」と憤る。
 2015年9月の宮城豪雨で、同地区は複数の家屋が床上浸水した。県などによると15年以降、関係機関が情報伝達の手順を定期的に確認するなど対策を講じてきたという。
 県河川課の担当者は「経験のない大雨が短時間に降ってしまった。今後、災害発生時の状況を確認、検証する」と言う。
 2度の被災を踏まえ、郡山地区では一部住民が地域外への移住を検討し始めたという。北目町内会の南区区長を務める村上征一さん(78)は「事前の説明では水があふれる前に排水できるはずだった。結局、4年前以上の被害が出た」と嘆いた。
(小田島悠介)


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2019年10月24日木曜日


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