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泥との格闘に住民悲鳴 断水続く宮城・丸森

床下に泥水がたまった健治さん宅=24日午後1時ごろ、宮城県丸森町金山

 台風19号の被災により全約5100世帯の半数以上で断水が続く宮城県丸森町で、住民が家屋に流れ込んだ大量の泥と格闘している。必死に泥をかき出しても洗い流せず、室内は乾燥して土ぼこりが舞う。「とにかく水が欲しい」。被災者が悲痛な叫びを上げている。
 断水地域の一つ、金山地区では、雉子尾(きじお)川が氾濫し大量の泥が押し寄せた。泥は水田の土のように粘り気が強い。裁断された稲わらが混ざって堆積している所もある。
 住民の多くは2階に寝泊まりするが、湿気と土臭さに悩む。床上約50センチの浸水被害に遭った無職斎藤健治さん(80)宅の床下は今も泥水がたまったまま。押し入れにも泥が残り「断水のせいで洗い流すことができず、何度掃除しても終わりが見えない」と嘆く。
 泥かきや被災家具の片付けは重労働だ。頼みの綱はボランティアだが、無職斎藤益雄さん(73)は「いつ来てくれるのか分からない」とこぼす。24日までに町災害ボランティアセンターに寄せられた作業依頼は331件。うち約半数しか活動に着手できていない。
 益雄さん方の車2台は水没した。自動車保険の代車サービスを頼んだが、注文が殺到し手配できなかった。灯油用ポリタンク2個を手押しの一輪車に載せ、約250メートル先の給水所に通う。「この年だ。2往復が限界」。車がないため自衛隊が提供する風呂にも満足に行けず、体が悲鳴を上げている。
 町内3浄水場のうち、2686世帯に供給する石羽浄水場が復旧していない。町は応急処置で今月末の通水を目指すが、本格復旧に1年以上かかる見通しだ。大野次雄建設課長は「水道はライフラインの根幹。まずは蛇口をひねれば水が出るようにしたい」と話す。


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2019年10月26日土曜日


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