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命と向き合う、これからも 大川小児童遺族ら判決確定後初の語り部活動

大川小校舎前で、津波による被災状況を説明する佐藤さん(右から2人目)と鈴木さん(右)

 東日本大震災の津波で児童・教職員計84人が犠牲となった旧石巻市大川小で27日、児童遺族らによる語り部活動があった。今回で27回目。大川小津波事故訴訟で学校の事前防災の不備を認めた仙台高裁判決の確定後は初めて。
 約100人が参加し「大川伝承の会」共同代表を務める佐藤敏郎さん(56)と鈴木典行さん(54)が案内した。6年生の次女みずほさん=当時(12)=を失った佐藤さんは津波の傷痕が残る校舎や校庭を案内し、「ここには普通の日常があった」と伝えた。
 6年生の次女真衣さん=同(12)=を亡くした鈴木さんは、震災当日に津波が夜まで何度も来たことを挙げ「津波が来ると思ったら、対策は『逃げる』しかない」と訴えた。
 校舎の裏山に登って実際に来た津波の高さを示し、佐藤さんは「命を救うのは山ではなく、『山に登る』という判断と行動だった」と説明した。
 2回目の参加という長井市の会社員松下和男さん(42)は「小学生の子どもに聞かせたくて来た。大川小で起きたことに向き合う必要がある」と話した。
 犠牲になった児童23人の19遺族が市と県に約23億円の損害賠償を求めた訴訟で、最高裁は今月10日付で市と県の上告を退ける決定をした。佐藤さん、鈴木さんは原告に加わっていない。
 佐藤さんは取材に「子どもと先生の命を無駄にしてはいけないという思いは変わらない。より子どもの命に向き合える状況になればいい」と話した。


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2019年10月28日月曜日


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