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返事はないけど、届いているはず 陸前高田の「漂流ポスト」供養祭

手を合わせて手紙を供養する高野さん(左)と赤川さん

 東日本大震災で犠牲になった人らに宛てた手紙を預かる陸前高田市広田町の「漂流ポスト」に、この1年間で届いた約50通の供養が28日、近くの寺であった。津波で長男智則さん=当時(22)=を亡くした宮城県南三陸町の介護福祉士高野慶子さん(56)も参列。手を合わせ「手紙がちゃんと届いたと思う」と話した。
 震災発生から8年7カ月で、高野さんは自宅の再建を果たし、次男一家に孫が生まれた。日常の復興が進む半面、喪失感が癒えることはないという。
 毎年、命日の前後になると、智則さんに話し掛けるように「ともに会いたいョ」「風邪ひかない様にネ」などとしたため、家族の近況を報告してきた。「漂流ポストは心のよりどころ。返事はないけれど、話ができたようでうれしい」とかみしめる。
 「漂流ポスト」管理人の赤川勇治さん(70)は、現地で営んでいたカフェの営業を9月末で終了した。今後は、訪れる遺族らにゆっくり寄り添える場所としたいという。赤川さんは「手紙を投函(とうかん)した人たちが集まる機会を実現したい」と語る。
 手紙の宛先は、〒029−2208陸前高田市広田町赤坂角地159の2「漂流ポスト」。


2019年10月29日火曜日


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