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「猫神さまの町」ピンチ 日本一多い宮城・丸森の供養碑被災 東北最古も失う

境内の猫の石碑2基が土砂にのみ込まれたとみられる神社=22日、宮城県丸森町
宮城県丸森町にある猫の供養碑=2017年4月(石黒さん提供)

 台風19号で甚大な被害を受けた宮城県丸森町は「猫好き」には知られた町だ。猫の供養碑が点在し、数は日本一多いという。「猫神さまの町」として地域おこしに取り組んできたが、台風で一部の碑が被災。交通が寸断され、被害の全容も分からない。関係者は「観光資源だけでなく、地域の信仰を伝える貴重な資料。早く確認し、人知れず失われる事態を回避したい」と心配している。
 被災状況を調べた村田町歴史みらい館(宮城県村田町)専門員の石黒伸一朗さん(61)によると、丸森町は江戸時代から昭和まで養蚕業で栄えた。ネズミがカイコの幼虫や繭の中のさなぎを食べるため、駆除する飼い猫を大切にしていた。町には「猫神さま」と呼ばれる石碑や、猫の姿をかたどった石像が計81基ある。
 地域おこしの動きが広がり、2017年、町文化財友の会が「丸森町の猫碑めぐり」を発行、町観光協会は気軽に散策できるマップを作成した。老舗菓子店「栄泉堂」では、足跡を焼き印したどら焼き「猫神様が通る」が主力商品になった。
 石黒さんが22日、土石流が起きた五福谷川沿いの中島地区の神社を訪れると、石碑2基がなくなっていた。土砂にのみ込まれたとみられる。うち一つは1810年に作られ、東北最古という。
 他に約20基の無事を確認できたが、一部は崩落した地面の近くだったり、台からずり落ちたりしていた。被害が大きい地区には近寄ることもできなかった。
 栄泉堂の専務池田洋平さん(39)は「碑は町の最大の魅力。移設も含め、安全策を検討してほしい」と訴えた。


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2019年10月30日水曜日


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