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福島・大熊町長選31日告示 2新人の一騎打ちか 遊説先限定され有権者との距離に腐心

避難指示が解除された大川原地区に完成した大熊町役場。依然多くの有権者が町外避難を余儀なくされている=4月10日

 任期満了に伴う福島県大熊町長選(31日告示、11月10日投開票)は現職が引退を表明し、新人同士の一騎打ちが濃厚だ。東京電力福島第1原発事故による避難指示が4月に一部解除されて初めての町長選。町民の多くが依然として県内外に避難する中、台風19号で被害も受け、訴えを有権者にどう届けるか関係者は手探りの状態だ。
(会津若松支局・玉應雅史)

■前回は無投票に

 立候補を予定しているのは元町議会議長鈴木光一氏(64)と元副町長吉田淳氏(63)。ともに自宅が町の帰還困難区域にあり、それぞれ郡山市、いわき市に避難する。後援会事務所は2人とも避難解除された大川原地区に設けた。
 町によると10月1日現在、避難解除された大川原、中屋敷両地区に住民登録する居住者は100人。町中心部は帰還困難区域のままで、町民1万313人が県内を中心に40都道府県に避難している。
 町長選は2011年の前々回、仮役場を置いていた会津若松市を拠点に実施された。当時は町民の避難先の仮設住宅が主な遊説先だったが、8年がたって状況は変化。町民は災害公営住宅などに移ったが、他市町村の住民もいるため両陣営とも「迷惑になる」と消極的だ。15年の前回町長選は無投票だった。
 加えて台風19号は町民が多く避難するいわき、郡山両市に大きな被害をもたらした。「選挙カーからの連呼は控える。慎重にしなければならない」と一方の陣営。他方の陣営は「慎重にしすぎても逆に、なぜ来ないと言われかねない」と明かし、有権者との距離に腐心する。
 両陣営とも、台風被害が少なくて町民が多い災害公営住宅がある会津若松市を主な遊説先に挙げる。ほかには地縁や血縁を頼りに電話やはがきで支持を訴えるなど、期間中の活動は限られるという。

■双方「継承」掲げ

 11年の投票率は68.34%だった。今回同時実施される町議選(定数12)は11年68.34%、15年51.44%と下落傾向だ。
 町選管は選挙公報の郵送や町のホームページによる告知に加え、18年の知事選で導入した期日前投票の移動投票所を今回も実施するが、効果は未知数だ。
 町長選に立候補する両氏はともに3期限りで引退する渡辺利綱町長(72)の継承を掲げ、訴えに大差はない。町選管は「啓発で考えられることはやる。候補者の論戦に関心が高まるかどうかにも懸かっている」と話す。
 9月1日現在の有権者は8474人。


2019年10月30日水曜日


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