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佐沼高生が復旧手助け 震災時の支援拠点「柳津虚空蔵尊」に恩返し

駐車場に流れ込んだ泥の除去作業に臨む佐沼高の生徒たち
川の氾濫で損壊した鵲橋

 台風19号の豪雨で宮城県登米市津山町の古刹「柳津虚空蔵尊(やないづこくぞうそん)」が大規模な土砂被害に見舞われた。本堂や寺務所、庫裏は被害を免れたものの、明治期に造られた橋が崩落したほか、併設のカフェが床上浸水の被害に遭い、境内の広範囲が土砂で埋まった。地元の高校生らがボランティアで泥出し作業を行うなど、救援の輪が広がっている。

 台風19号で虚空蔵尊を取り囲む山の土砂が崩れ、山から流れ出る2本の川の水が氾濫。通過後の13日朝、境内に樹木や土砂などが流入し、1メートル以上の高さになっていたことが判明した。
 境内には新元号「令和」の出典となった万葉集の編者の一人、大伴家持が和歌を詠んだと伝わり、縁結びの御利益があるとされる「鵲(かささぎ)橋」があったが、川の氾濫で石造りの橋脚が崩れた。
 参拝客の休憩所となっていたカフェ「夢想庵」の建物は泥水が流れ込む被害があり、休業に追い込まれた。
 虚空蔵尊は東日本大震災後、被災地の現状などを発信し、隣接する南三陸町や石巻市への支援活動の橋渡しをするなど、復興の拠点となった。台風による豪雨の被害後は、南三陸町の被災者ら、県内外のボランティアが駆け付け、土砂の撤去などを手伝った。
 27日には、佐沼高の生徒59人が市社会福祉協議会の災害ボランティアとして境内や駐車場に堆積した流木や泥の撤去作業をした。
 生徒会長の2年阿部大智さん(16)=南三陸町=は「実際に来たら大変な被害になっていたことが分かった。震災で自分の町の人たちが助けられた寺であり、恩返しになればいい」と話した。
 虚空蔵尊の広報担当、杉田史さん(46)は「震災で縁があった多くの人たちに助けられ、少しずつ元の状態に戻りつつある。困っている人を助けたいという生徒さんの気持ちに感謝したい。とても励みになる」と語る。
 参拝や祈〓(きとう)は通常通り受け付けている。カフェは11月1日に再開する予定。復旧支援ボランティアの連絡先は杉田さん090(2607)9158。

(注)ゲタは示偏に壽


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2019年10月31日木曜日


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