福島のニュース

ボランティア集まらない 福島の被災地が悲鳴

浸水家屋から家財道具を運び出すボランティアら=26日、南相馬市原町区小川町

 台風19号で甚大な浸水被害を受けた福島県内の被災地が、ボランティアの確保に苦労している。被害が東日本の広域に広がり、福島に来るボランティアがそもそも少ないからだ。マンパワー不足は深刻で、被災者の生活再建を阻む要因にもなっている。

 約380棟が浸水した南相馬市。地元の社会福祉協議会は被災ごみの片付けや泥のかき出しといったニーズが多いことを受け、18日にボランティアセンターを開設した。しかし初日の応募はゼロで、その後も10〜40人と低空飛行が続く。
 市社協地域福祉課の佐藤清彦課長は「ボランティアの絶対数が少なすぎる。本音を言うと1日100人の人手は欲しい」と語る。被災者からの派遣依頼が20件ほど残っているといい「今月中に全てに応えるのは難しいだろう」と話す。
 約100棟が浸水した川俣町の社協もボランティア集めに苦戦する。当初は町民限定で募集したが、想定通りに集まらないため門戸を町外にも広げた。だが休日でも40人程度で、当初目標の50人を下回る。
 なぜ、ボランティア確保が難航しているのか。両社協の担当者が理由に挙げるのが報道量の差。
 県内は氾濫した阿武隈川流域の被害を伝える報道が多く、両市町のように阿武隈川から離れた地域は報じられる機会が少ない。被害実態が伝わらず、訪れるボランティアが少ないという見方だ。
 ボランティア不足を訴える声は阿武隈川流域でも聞かれる。7人の犠牲者が出た本宮市。地元のボランティア関係者は「休日は数百人が来ているが、被害規模があまりにも大きすぎてまだまだ人手は足りない」と語る。
 ピースボート災害ボランティアセンター(東京)の事務局長を務める上島安裕さん(37)によると、ボランティア不足は東日本の被災地共通の課題。被害が広域的なことに加え西日本のボランティアが長野県に集中し、偏在が起きていることも大きいとみられる。
 上島さんは偏在の解消策として「ボランティア不足の全体像が分からないことが一番の問題だ。まずは各自治体ごとの被災状況とボランティア数をホームページで公開し、どこで足りないかを一目で分かるようにする仕組みを公的機関が構築してほしい。そうすれば足りない自治体に人手を誘導できる流れができるのではないか」と指摘する。


関連ページ: 福島 社会

2019年10月31日木曜日


先頭に戻る