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台風19号被災から3週間 宮城・丸森の保科郷雄町長に聞く

ほしな・くにお 1950年、丸森町生まれ。伊具高卒。町議5期を経て2010年12月の町長選で初当選。現在3期目。69歳。

 台風19号豪雨は宮城県丸森町に深い爪痕を残した。河川氾濫や土砂災害で10人が亡くなり、1人が行方不明のままだ。基幹産業の農業をはじめ、観光などへの打撃も大きい。被災3週間となる町の現状や復旧復興について、保科郷雄町長に聞いた。
(聞き手は報道部・東野滋、鈴木拓也)

◎仮設住宅 早期整備を

 −県内最多の犠牲者が出るなど被害が甚大だった。
 「町政史上、最悪の出来事だ。亡くなられた方とご家族のことを考えると心が痛む。先日、1人が行方不明になっている現場を訪れ、早く見つかってほしいと願った。懸命に捜索を続ける自衛隊や警察、消防には頭が下がる」

 −多くの町民が浸水被害に遭った。
 「避難所で暮らす被災者のため、仮設住宅220戸の早期整備を県に働き掛けたい。これから寒くなる。風邪をひくなど体調を崩さないよう暖房器具を増やし、空気清浄機や加湿器を入れるといった対応をする」
 「ほぼ全世帯で水道が復旧し、家屋などの清掃が進むはずだ。大きな被害にショックを受けている人が多い。安心して暮らしてもらうため、在宅被災者を中心に保健師が巡回して健康調査を実施している」

 −被災者生活再建支援制度では原則、床上浸水が1メートル未満の場合は支援金が支給されない。
 「その線引きが理解できない。床上浸水20センチでも畳は使えなくなる。国や県に支援拡充を要望したい。無理なら町として何らかの支援が可能か考えたい」
 「人手が足りず家屋の被害判定に時間がかかっている。土木関係の調査も必要で、県内外の自治体に人的支援をお願いしたい。営農再開に向け、被災した農地や揚水機場などの復旧も急がなければいけない」

 −膨大な災害ごみの処理も課題だ。
 「県内だけでは処理しきれず、広域処理を含めた解決策が必要だ。むつ市が受け入れを表明してくれたが、町単独では運搬できない。国は停止した焼却場の再稼働や仮設焼却場の建設とともに支援してほしい」

 −役場庁舎は洪水時の浸水想定域にあり、周囲の冠水で孤立状態に陥った。
 「豪雨が予想され、避難所開設や避難の呼び掛けに取り組んだが、災害対策本部を役場外に移すことは考えなかった。町防災計画も災対本部の役場以外への設置は定めておらず、反省点として検証したい」
 「阿武隈川の支流の氾濫が今回の被災の特徴だ。水位計の増設など監視体制の強化、堤防のかさ上げが必要。一方で住民がいち早く避難して犠牲を防ぐなど自主防災組織が有効だった地域もあった。ハードとソフトを組み合わせ、町民の命を守りたい」

 −復旧復興は長丁場だ。
 「1週間以上、役場に泊まり込んだが、私が倒れてはまずいので最近は帰宅している。被災しながら働き続けている職員の健康も心配だ。順番で休むよう呼び掛けている」
 「早々に職員を派遣してくれた隣の山元町をはじめ、東日本大震災を経験した自治体から局面ごとに助言をもらっている。職員と力を合わせて一つ一つの課題に解決策を見いだしたい」


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2019年11月02日土曜日


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