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「古文書」救出に全力 個人の思い出も修復 宮城のNPO法人始動

涌谷伊達家ゆかりの歴史資料を手に取る川内准教授=仙台市青葉区の東北大災害科学国際研究所

 被災した古文書など歴史資料の保全に取り組むNPO法人「宮城歴史資料保全ネットワーク」が、台風19号の被災地で活動を始めた。ネットワークは「古文書は地域の歴史そのもの」と強調し、救出と修復に全力を挙げる考えだ。
 10月22日、宮城県涌谷町教育委員会からネットワークに「涌谷伊達家の旧家臣宅で保管していた歴史文書が浸水した」と連絡があった。預かった資料は、江戸時代中期から明治時代初期の書物や当時の生活の様子が記された文書、銀札など貴重なものばかり。
 ネットワークの川内淳史東北大准教授(歴史学)は「かなりぬれていたが修復できそうだ。災害時は生活再建が最優先になり、存在や価値が知られないまま処分される貴重な資料が多い」と危機感を募らせる。
 川内氏によると、文化財の指定がない場合でも、地域の成り立ちや住民の生活が記され、その土地の歴史を伝承する重要な文書もあるという。
 ネットワークは、歴史資料以外にも、写真や賞状、学校の成績表など個人の思い出の品の修復も無償で請け負っている。東日本大震災では、津波で被災した約10万点の写真や文書が集まり、ボランティアの協力で現在も修復作業を続けている。
 ネットワーク理事長を務める東北学院大の斎藤善之経営学部長は「地域や家族の歴史を残すために手を尽くしたい。浸水した物があれば気軽に相談してほしい」と呼び掛けている。連絡先はネットワーク事務局080(1666)5919。


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2019年11月05日火曜日


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