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バスの半数が移動せず水没 福島交通郡山支社で165台中92台被害

保土谷化学工業郡山工場の敷地内に退避したバス=10月11日(郡山市提供)

 台風19号による増水で保有するバス車両の多くが被害に遭った福島交通(福島市)の郡山支社が、台風の数日前にバスの退避場所を確保しながら、半数以上を移動せずに水没させたことが分かった。70ある路線バスは一時全面運休し、今なお約3割が運休中。市民からは「どうして全車両を退避させなかったのか」と疑問の声が上がっている。

◎協定で場所は確保 「浸水想定外の速さ」

 支社は10月7日、集中豪雨など災害時に車庫から市民の足のバスを退避させるため、公共施設駐車場や隣接の工場敷地を無償で提供してもらう協定を市、保土谷化学工業(東京)と締結した。支社は2011年9月の台風でも浸水被害を受けていたためだった。
 福島交通によると、今回の台風では10月11日に退避を開始し、保有する165台のうち保土谷化学工業郡山工場に32台、他の車庫に41台を移動させた。
 支社の前を通る道路が冠水し始めたのは12日午後11時すぎ。約30分後には深さが約1メートルになり、最終的には2メートル近くに達した。
 退避しきれなかった92台が残る車庫で従業員らは溺れかけながら、11年に被害を受けなかった敷地内の高い場所に移動させようと試みたという。しかし、92台は全て水没してしまった。
 郡山工場は敷地が支社より2メートルほど高い。広さ約24万平方メートルで、支社の165台全てを駐車できるだけのスペースもある。保土谷化学工業は「市民の足を守るための協定。受け入れ態勢は万全で、もっと駐車可能だった」と振り返る。
 福島交通は「8年前の台風は数時間かかって80センチほどの浸水だった。想定外のスピードで、退避が間に合わなかった」と説明。「今回の経験を生かし、よりスムーズに退避できるよう対策を講じたい。一刻も早く全路線で運行再開できるよう努力する」と語った。


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2019年11月06日水曜日


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