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樹齢350年のシダレザクラ一部伐採へ 仙台・榴岡天満宮 幹が空洞化、倒木の恐れ

シダレザクラを見上げる菅野宮司。右側の幹が伐採される
毎年春に見事な花を咲かせたシダレザクラ=2019年4月

 仙台市宮城野区の榴岡天満宮の境内に咲き、伊達家にゆかりのあるシダレザクラが9日、一部伐採されることになった。樹齢は350年を超えるとみられ、市の名木古木88選に指定される大樹だが、幹の空洞化が進み、倒れる危険性が高いことから、苦渋の決断に至った。関係者は「残念だ」と名残を惜しむ。
 榴岡天満宮は1667(寛文7)年、仙台藩4代藩主伊達綱村の時に、仙台東照宮(青葉区)の隣接地から遷座した。その際、社殿のそばにシダレザクラが植えられたとみられる。
 2度の落雷で詳しい資料は焼失したが、菅野棟之宮司(45)は「榴ケ岡は当時から桜の名所だった。近くに遷座したため、藩からシダレザクラを贈られたと伝わっている」と証言する。
 明治40年代に撮影された写真によると、木の高さは約30メートルあり、社殿を越えている。毎春、薄いピンクの花を咲かせてきたが、近年は幹の腐朽が進行。根元の隙間も広がり、倒木の懸念が強まっていた。
 総代会は「参拝者の安全を考えると、一部伐採はやむを得ない」との意見で一致。「伊達政宗が育んだ伊達な文化」の一つとして、天満宮が文化庁の日本遺産に認定されており、同庁とも協議し、伐採を決めた。
 9日は根元で二手に分かれる幹のうち、空洞化が著しい一方をクレーンで支えながら伐採し、もう片方は樹勢維持の処置を施す。
 シダレザクラの管理を担う樹木医で造園会社社長の行方博さん(69)は「空洞化が進んでも葉や枝の量が減らず、生命力は強い。もう一方を残せるよう力を尽くしたい」と強調する。
 菅野宮司は「毎年見事に咲き続け、今年の春もきれいだった。残念だが、台風や強いビル風でいつ倒れるか分からず、やむを得ない」と語った。


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2019年11月07日木曜日


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