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町の畳屋再開「住宅再建の力に」 大崎・鹿島台

機械を直し畳作りを再開した千葉さん

 台風19号で浸水被害に遭った大崎市鹿島台の志田谷地地区で約50年前から「千葉畳製作所」を営む千葉武夫さん(69)が7日、再び畳を作り始めた。千葉さんは「これから住宅の再建に必要になる。頑張りたい」と気持ちを奮い立たせる。
 さっとござを広げると、イ草の爽やかな香りが漂う。千葉さんは三角定規で手早く採寸した後、慣れた手つきで機械を操り、畳床に畳表を縫い付けた。「1畳は大体30分でできる」と言う。
 自宅に隣接した作業場は約1.5メートル、床上浸水した。畳床や畳表といった材料は全て泥をかぶり、畳を縫う機械3台も水没した。もう動かないだろうと覚悟しながらも、水が乾くのを待って機械を分解し、油を差した。
 1週間ほど作業を続けた後の今月2日。30年以上使った旧式の機械にスイッチを入れると、再び音を立てた。
 「うれしかった。また作れる」。町内外から数件の依頼も舞い込み、自宅用と合わせて40畳分の材料を調達した。
 宮城県は、稲わらを使った畳床の日本一の産地として知られる。志田谷地地区もかつては畳と畳床の生産が盛んだったが、稲わらではなく建材を使った畳床が主流になるにつれて衰退。現在、製造業者は2軒しか残らず、主に一般家庭を顧客とする「町の畳屋」は千葉畳製作所だけになった。
 「浸水被害を機にフローリングに変える人が出てくるかもしれないが、横になった時の気持ち良さは畳が一番」と千葉さん。「この夏に畳を替えたばかりの家も近所にある。かわいそうだから早く直してあげたい」と意気込んだ。


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2019年11月08日金曜日


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