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吉田川と阿武隈川、越水から堤防決壊か 調査委が原因分析

台風19号の大雨で吉田川が氾濫し、決壊した堤防=10月13日、宮城県大郷町

 台風19号豪雨で吉田川(宮城県大郷町)と阿武隈川(須賀川市)の堤防が決壊した原因を調べる東北地方整備局の調査委員会が7日、仙台市青葉区のハーネル仙台であった。調査委は越水で堤防が削り取られ、決壊した可能性が高いとの見解を示した。
 吉田川を対象とする「鳴瀬川堤防調査委」は、決壊箇所を記録した映像を基に分析。13日午前6時ごろ、水が堤防を越え、同7時50分ごろに約20メートルにわたって堤防が崩壊した。水の勢いで宅地側ののり面が次々と崩れ、決壊幅が次第に広がり、約100メートルに達した。
 近くの観測所の水位は同午前1時半ごろから約6時間にわたって決壊の恐れがある「計画高水位」を超えていた。うち約4時間は堤防の高さを上回った。決壊箇所の水位は最大で堤防高を約40センチ上回った。
 委員長の田中仁東北大大学院教授は「越流した時間が一定程度あったことが決壊を引き起こした」と指摘。「全国各地で起こり得る現象で、河川整備に役立てるべきだ」と提言した。
 「阿武隈川上流堤防調査委」は、提供写真から決壊原因を探った。13日未明、決壊箇所から約5キロ上流で堤防を越えた水が宅地側に流入。周囲より低い土地に氾濫水が集中し、午前6〜7時ごろ、河川側に向かって越水した。
 堤防全体が水没したことで未舗装ののり面の一部が浸食され、午後2時までに決壊が起きた。決壊箇所の水位は周辺の痕跡から堤防より最大約60センチ高かったと推定した。
 委員長代理の長林久夫日大名誉教授は「宅地側からの越水は全国でも珍しい事例で、さらに検証が必要だ」と強調した。調査委は今後、復旧方法について検討を進める。


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2019年11月08日金曜日


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