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「2階生活」いつまで 住宅再建、浸水深で支援に差 被災者の不安募る

浸水被害に遭った住宅。泥だらけになった畳は取り除かれたままだ=2日、須賀川市

 台風19号で河川の氾濫が相次いだ福島県内では、多くの被災者が浸水被害を免れた2階で生活する。任期満了に伴う県議選(10日投開票)では、被災住宅の再建も主要テーマだ。不自由な「2階生活」を送る人々に苦しい暮らしぶりと政治への思いを聞いた。

 定数3に現新6人が立った激戦区の須賀川・岩瀬選挙区。阿武隈川の氾濫によって浸水した須賀川市浜尾地区で2日午後、会社員男性(46)が泥だらけの家財道具を庭先に出す作業に汗を流していた。
 「1階にあった冷蔵庫から家財道具まで全て処分しないと」。70センチほど水に漬かった自宅は湿気を抜くため窓を開け放し、畳もはがしている。当然、1階には住める状態ではない。
 この3週間余り、避難所には身を寄せず両親と2階で暮らし、食事も寝室で取る。「住める面積が半分になったわけだが、実感としては2、3割の窮屈さ。年末までこんな生活が続くのか」と表情を曇らせた。
 郡山市中心部に近い十貫河原地区。2階で暮らす50代女性の自宅1階は、こびりついた泥が臭う。「最初は嫌だったが、だんだん気にならなくなってきた。むしろ階段の昇り降りで足腰が痛い」
 特に被害がひどかった和室の畳や床板、断熱材を処分した。衛生面を考えればフローリングもはがして床下の湿気を取り除きたかったが、出費がかさむことから諦めた。
 今、一番気になるのは自宅の被害判定だ。浸水は腰の高さほどで「半壊」にとどまるとみられる。1メートル以上の「大規模半壊」に該当しないため、被災者生活再建支援法に基づく支援金の支給対象から外れる可能性が大きい。
 全壊や大規模半壊の世帯には最大で300万円が支給される。住める状況にない点では同じなのに、支援に大きな差があることにもどかしさを感じる。
 郡山選挙区は定数10を巡って現新13人が争う。市内は連日、各陣営が選挙カーから支持を呼び掛ける声が響き渡る。
 女性は言う。「半壊と判定されそうな被災者の多くが金銭面で同じ悩みを抱えている。支援金は柔軟な制度設計であってもいいのではないか。各候補の訴えにじっくり耳を傾け、投票先を決めたい」
(神田一道、吉川ルノ)


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2019年11月08日金曜日


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