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原発避難先で300世帯以上が水害に 二重被災の支援が課題

 台風19号などによる一連の水害で、東京電力福島第1原発事故の避難者のうち、少なくとも315世帯が避難先で浸水などの被害を受けたことが9日分かった。事故前に住んでいた各自治体の調査を共同通信が集計し「二重被災」の実態が判明した。一方、福島県や避難先の居住自治体は詳しい状況を把握できていない。事故から8年半余りが過ぎ、生活再建に取り組む原発避難者は「また被災するなんて」と落胆している。今後の支援や心身のケアが課題となる。

 福島県によると、原発事故による県内の避難者は10月末時点で約1万人。今回の水害で甚大な被害が出たいわき市や郡山市などで多い。避難先の自治体は被災者が原発避難者かどうかは特段確認しておらず、県も「具体的には把握できていない。避難先の自治体で対応してもらう」としている。自治体によって見舞金の支給などで差がつく可能性もあるという。
 こうした状況の中、第1原発が立地し全町避難が続く双葉町や、今年4月に一部で避難指示が解除された大熊町に加え、浪江町、富岡町、楢葉町、葛尾村、飯舘村の少なくとも7町村が原発避難者の被災状況を調べた。
 富岡町は避難先のいわき市や郡山市など108世帯で自宅の床上や床下浸水の被害を確認。浪江町では車の水没も含め84世帯、大熊町は宮城県丸森町の1世帯を含めた73世帯、双葉町は27世帯、葛尾村は3世帯が被災した。楢葉町は「少なくとも20世帯」が被災したとしている。飯舘村は70歳以上で独居の避難者を調べたが被災情報はない。
 原発避難者が水害に遭った自治体は、いわき市245世帯、郡山市30世帯、相馬市19世帯、本宮市8世帯、須賀川市4世帯など。
 仮設住宅への入居などには罹災(りさい)証明書が必要で、原発避難者も避難先の自治体で受け取れる。見舞金については、被災自治体の多くが住民票がなくても支給対象とする一方、相馬市は条例で住民票があることを条件としており、対応を検討している。
 双葉町の担当者は「避難中の町民に生活再建情報を伝え、安心につなげたい」と話している。


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2019年11月10日日曜日


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