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高の倉ダムの緊急放流検証へ 住民が協議会 南相馬

濁流が突き抜け、全壊した小野さん方=8日、南相馬市原町区高倉

 台風19号と10月25日の大雨で、福島県南相馬市原町区にある「高の倉ダム」が緊急放流を2回行ったため高倉地区の住宅が全壊や浸水の被害を受けたとして、地区住民が放流や避難誘導の在り方を検証する協議会を設立した。今月14日、ダムを管理する市から説明を受ける。市は規定に基づいた放流だったと主張している。
 協議会は高倉行政区の役員や被災者14人で構成。菅野秀一区長によると、緊急放流のために地区の10世帯が被災したほか、道路や橋の損壊、農地被害などがあった。
 今後、緊急放流の実施や避難誘導を住民に周知する市の対応が適切だったかどうか、生活支援、農地復旧の在り方など6項目を検証していく。
 ダムの近くに住む大工小野栄さん(71)は、台風19号が通過した10月12日夜の緊急放流によって自宅が全壊したと訴える。母屋は床上1メートルの高さで濁流が西から東へ突き抜け、作業場や納屋は倒壊した。
 長女から「緊急放流の可能性がある」と電話連絡を受け、午後8時すぎに車で避難した。「家にいたらどうなっていたか。先祖代々100年以上暮らしてきたが、もうここには住めない」と話す。
 福島県から委託を受けてダムを管理する市は「高の倉ダムは農業用の利水ダムであり、事前放流などの洪水調整ができない」(経済部)と説明する。
 市によると、ダムの洪水ゲートは貯水率が73%を超えないと機能しない。今回は2回の放流時ともピークには95%を超え、12日は最大で毎秒約190立方メートルの流入と放流、25日には同約120立方メートルが流入して同59立方メートルを放流した。


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2019年11月10日日曜日


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