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「自宅外に避難」地域差 河北新報社と東北大が台風19号被災者アンケート

 河北新報社と東北大災害科学国際研究所は台風19号の避難行動に関するアンケートを共同で実施し、上陸1カ月に合わせて集計した。対象は大崎市鹿島台と大郷町の宮城県北2地域と、県南の丸森町の被災者。自宅の外に避難した人が県北は80.0%に上ったのに対し、県南は17.3%にとどまり、避難行動に大きな地域差が見られた。
 浸水被害が中心だった平野の県北2地域では人的被害はなかった。一方、山間部の丸森町では河川の氾濫に加えて土砂崩れが相次ぎ、10人が死亡、1人が行方不明になった。宮城県内の死者・不明者21人中、半数以上を占めた。
 調査を分析した研究所の佐藤翔輔准教授(災害情報学)は「県北は水害経験や伝承に基づくリスク認識が高かった。丸森町は前例のない豪雨の中、過去の浸水エリアに避難行動が縛られた可能性がある」と指摘した。
 調査は10月25日〜11月4日、浸水や土砂崩れで自宅が被災した3地域204人に記者が対面で聞き取った。内訳は大崎市鹿島台と大郷町各50人、丸森町104人。
 宮城県内で雨脚が強まったのは10月12日夜から。当日の避難行動に関し「自宅の外に避難した」のは全体の48.0%。「自宅の2階以上に避難した」31.4%、「避難しなかった」17.6%だった。
 地域別は円グラフの通り。自宅の外に避難した人が県北2地域で80%に上り、指定避難場所や親戚・友人宅に避難した人が8割を占めた。丸森町は自宅2階以上に逃げた人が50.0%、避難しなかった人が26.9%おり、8割弱が自宅にとどまった。
 避難を始めた時刻は棒・折れ線グラフのように県北2地域は早く、60%が12日午前9時〜午後8時台だった。大郷町は台風接近前の午後2時13分、大崎市は午後3時に避難準備・高齢者等避難開始を発令。丸森町の発令は午後2時で、自宅の外や自宅2階に避難した人は午後8時台までに46%に上った。
 避難した理由(複数回答)も大きな地域差が出た。「自宅が浸水すると思った」は鹿島台72.5%、丸森町82.6%で最も高かった。大郷町は「町から避難情報が発表されたのを知った」60.9%、「家族・知人が避難しようと言った」45.7%、「過去の水害を思い出した」43.5%と続き、複数の情報から避難のきっかけをつかんでいた。

[調査の概要]回答者は男性119人、女性85人。内訳は大崎市鹿島台50人(男性31人、女性19人)、宮城県大郷町50人(男性22人、女性28人)、丸森町104人(男性66人、女性38人)。年代は60代33.3%、70代23.0%、50代13.7%、80代13.2%など。自宅が床上浸水した人が3地域で8〜9割いた。


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2019年11月12日火曜日


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