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進行肺がん治療に有効 分子標的薬と抗がん剤を同時期投与 東北大グループ発表

 東北大大学院医学系研究科の井上彰教授(緩和医療学)の研究グループは、日本人に多い遺伝子変異がある進行肺がん治療に、分子標的薬イレッサ(一般名ゲフィチニブ)と抗がん剤との併用が有効だとする研究成果をまとめた。医学系米学術誌に発表した。
 グループは、全国47施設で治療するステージ4の進行肺がん患者345人を対象に、イレッサと2種類の抗がん剤を同時期に投与して治療効果を検証した。
 その結果、初回に投与した抗がん剤の効果がなくなるまでの期間の中央値がイレッサ単独の約10カ月から約20カ月に改善。生存期間の中央値が従来の約30カ月から50カ月を超え、高い効果を示した。抗がん剤を同時に複数投与することによる生活の質の指標は、イレッサ単独と同程度だった。
 肺がんは長く日本人のがん死因の1位で、喫煙歴のある高齢者を中心に患者数が増えている。有効性の高い抗がん剤やイレッサの登場で患者の生存期間が大幅に延びた一方、イレッサが効かなくなった患者の3割が、効く可能性のある抗がん剤を使わない「使い逃し」が指摘されていた。
 遺伝子変異は日本の肺がん患者の3割に見られ、がん免疫療法では効果が乏しいとされる。井上教授は「併用は新たな標準治療として多くの患者の助けになる」と話した。


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2019年11月16日土曜日


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