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キャンパスを水害から守れ 福島・郡山の日大工学部、強靱化プロジェクト始動

大学周辺などの浸水被害を面的に把握するため、国土地理院による複数の航空写真を重ね合わせる処理をした画像(日大工学部提供)

 台風19号による河川の氾濫で福島県郡山市の日本大工学部はキャンパスが浸水し、約3週間の休講を余儀なくされた。被害拡大を受け、同大の研究者らが水害のメカニズムを解明するプロジェクトを始動。学生の住環境や今回の避難行動も分析し、キャンパス立地地域も含めた防災力向上を図る。
 工学部に通う学生約4500人のうち、約1000人が周辺のアパートなどで被災した。休講は11月4日まで長引き、備品の実験装置なども被害に遭った。
 「キャンパス強靱(きょうじん)化プロジェクト」は2カ年計画で土木工学科、建築学科、情報工学科の教授や市の担当者ら16人で構成。周辺の同市田村町、安積町の両地区を調査対象とした。
 両地区は阿武隈川に加え、元々はその主流だった古川池、池に流入する徳定川の3水域に囲まれている。プロジェクトでは、今回の水害に各水域がどう影響を及ぼしたかを調べる。
 メンバーの中村和樹情報工学科准教授(ジオインフォマティクス)は、詳細な地形図の作成に取り組む。大量の航空写真を重ね合わせる処理をした画像やドローンの測量データから、地形や建物の高低を数センチ単位で割り出す。
 作成した地形図を利用し、水の流れ込んだ速さやたまりやすい場所などをシミュレーション。学生らの避難行動の聞き取り結果を踏まえ、避難所の安全性や最善の避難ルートを探る。
 リーダーの岩城一郎土木工学科教授(コンクリート工学)は「キャンパスの周辺にとどまらず、他の地域にも応用可能な防災・減災のモデルを作りたい。研究成果を教育にも役立て、防災意識の高い学生を育成していく」と話す。
 プロジェクトは来年3月14日、学生や市民を対象に中間報告会を開催する。


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2019年11月17日日曜日


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