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「石巻うまいもの市」移転先の仙台で7年 サンマの天ぷら・しらすご飯 被災夫婦、毎月振る舞う

手料理を味わいながら文彦さん(左奥)、恵美さん(右奥)と交流を深める試食会の参加者=10月30日

 仙台市泉区の海産物店「津田海苔本舗仙台店」が、宮城県石巻市特産の海産物や総菜などの試食会「石巻うまいもの市」を毎月開いている。石巻市内にあった店舗が東日本大震災の津波で流され、仙台で店を再開して7年。古里の食材を知ってもらうとともに、再起の地となった地域の住民に感謝の思いを伝えている。
 10月30日、同店内のテーブルに、海藻のアカモクのあえ物や、サンマのみりん干しの天ぷら、しらすご飯などの料理約10品が並んだ。いずれも石巻市から仕入れた食材や総菜で、普段は店で販売されている。
 周辺の住民ら参加した約20人は、普段はあまり食べる機会のない料理を味わいながら、店を営む津田文彦さん(57)恵美さん(56)夫妻に、食材や調理方法などを尋ねた。
 震災当時、長男祐希さん(29)が仙台市内に入院しており、津田さん夫妻は2011年7月、偶然見つけた泉区南光台の民家に移り住んだ。家主の勧めで、同区南光台東にある空き店舗で12年7月、店の営業を再開した。
 試食会は、石巻の食材を知ってもらいたいという夫妻の思いから12年10月に始めた。毎月欠かさず月末の火、水曜に無料で開催している。
 恵美さんは「料理を出して食材の食べ方や味を知ってもらえる。店で気軽に食べ、家でも味を楽しんでほしい」と言う。
 恵美さんの手料理が「家庭的で自宅でも作ってみたい」と評判になり、当初10人程度だった参加者は次第に増えた。今では、2日間で計約100人が訪れることもあるという。
 店の近くに住む常連客の無職佐藤としえさん(80)は「手作りの料理は、お店とは違った家庭の味がして心が温まる」と話す。
 店では今後も試食会を続ける考え。文彦さんは「不思議なご縁があって、この場所で店を再開することができた。地域に感謝し、恩返しをしたい」と語る。


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2019年11月24日日曜日


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