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新宮城県民会館と仙台市音楽ホール 類似施設整備巡り激論

大規模ホールの在り方を巡り、激論が交わされたラウンドテーブル

 宮城県と仙台市がそれぞれ市内に整備を検討する大規模ホールに関し、音楽や建築の専門家が円卓形式で意見交換する「仙台ラウンドテーブル」が3日、青葉区のせんだいメディアテークであった。老朽化する市内の文化施設の現状に触れながら、二つのホールの必要性や立地、機能を巡って激論を交わした。

◎「生音楽専用に」「なぜ二つ同時」専門家ら期待や異議

 仙台フィルハーモニー管弦楽団首席ファゴット奏者の水野一英氏は、音楽ホールの早期整備に期待した。楽団の本拠地、市青年文化センター(青葉区)は「音響のいいホールと評判だったが、今は国際コンクールで審査員から必ず駄目出しされる」と機能面で限界にきていることを訴えた。
 「市のホールは仙フィルの本拠地になる生音楽専用にしてほしい」と求めたのは、ファンクラブ「仙台フィルハーモニークラブ」初代会長の高橋望氏。新県民会館をポップスなど拡声器を使用する公演向けにすれば、市ホールと機能のすみ分けができると主張した。
 一方、せんだい・みやぎNPOセンターの渡辺一馬代表理事は「なぜ、似た施設を二つ同時に造らないといけないのか」と複数整備に異議を唱えた。「公演を楽しむ人たちを増やすようなソフト事業にも財源を充てるべきだ」と語った。
 県は新県民会館をJR仙台駅東側、市は音楽ホールを駅西側にそれぞれ建設する方向。仙台商工会議所の間庭洋非常勤参与は「市街地が拡散するような方向で整備するのはどうか。集積させて投資効果を高めないといけない」と、まちづくりへの影響を懸念した。
 3時間を超えた白熱の議論は最終盤、県が県民会館との一体的な整備を打ち出した県美術館(青葉区)の移転に議論が集中した。
 複数の建築家が日本を代表する近代建築家、故前川国男氏が設計した建物の価値を指摘。「まだ使える前川建築をやめ、別のどこかに美術館を造るのはナンセンス」と痛烈に批判した。
 ラウンドテーブルは県建築士会、日本建築家協会東北支部宮城地域会などが主催した。市役所本庁舎の建て替えを巡って開催した実績があり、文化芸術をテーマにしたのは初めて。

[新宮城県民会館と仙台市音楽ホール]県は9月、青葉区の東京エレクトロンホール宮城(県民会館)を宮城野区の仙台医療センター跡地に移転、新築する基本構想素案を示した。新県民会館のメインとなる2000〜2300席の劇場型大ホールを「東北最大の大型総合エンターテインメント拠点」と位置付ける。一方、市の有識者による音楽ホール検討懇話会は3月、2000席規模の「生音源に対する音響を重視した高機能、多機能ホール」を中核とする施設の整備を提言。候補地にいずれも青葉区の西公園(市民プール跡、市民図書館跡、お花見広場)、錦町公園、青葉山交流広場など7カ所を公表した。


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2019年12月06日金曜日


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