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再起へガンバりんご 浸水被害で難逃れた果実を販売 須賀川の農家小松さん夫婦

泥が付いていないか丁寧に確認する純子さん
浸水を免れたリンゴを収穫する秀幸さん

 台風19号で阿武隈川の堤防が決壊し、浸水被害に遭った福島県須賀川市浜尾地区はリンゴなど果樹の栽培が盛んな地域として知られる。収穫時期を迎えたリンゴの多くが水に漬かったが、農家有志が被害を免れた果実を「ガンバりんご」と名付けて販売し、再起へ向け動きだした。

 浜尾地区で4代続く専業農家のこまつ果樹園は、代表の小松秀幸さん(50)の自宅1階が浸水した。300本のリンゴのほか、ブドウや柿、カリンなどを育てる約2ヘクタールの畑は最大2メートル水に漬かった。
 車4台や農機具も水没してしまった。「今年のリンゴは大きくて色も良く、出来が上々だっただけに言葉を失った」と振り返る。
 妻の純子さん(49)がドライフルーツなどに加工する施設の乾燥機も使えなくなった。純子さんは「被災直後は頑張る気力をなくしていた。多くの人たちの支援があり、量は少なくても残ったリンゴを販売しようと思った」と話す。
 小松さん夫婦らが中心となり、近隣の農家10戸にも声を掛けて「ガンバりんごの会」を設立。台風に負けずに頑張ったリンゴを11月中旬から販売している。活動を知ったボランティアが全国から駆け付け、収穫したリンゴを入れるプラスチックケースの洗浄などを手伝っている。
 こまつ果樹園は東京電力福島第1原発事故でも風評被害に苦しんだ。「少しでも泥の付いたリンゴを出荷したら、また風評につながりかねない」。純子さんは収穫の喜びをかみしめながら一つ一つ丁寧にリンゴを選別している。
 今年の収穫量は例年の2〜3割ほどで、被害額は農機具なども含め数千万円に上る見通しだ。消毒機械なども水没し、来年の収穫に向けた作業に間に合うかどうか不安が募る。
 それでも秀幸さんは「果樹農家は手間がかかって大変だが、自分に合っていて好きな仕事。これからもお客さんとのつながりを大事にし、安全でおいしいリンゴを食べてもらえるように頑張っていきたい」と前を向く。
 ガンバりんごの品種はふじで、10キロ入り1箱3000円(送料別)。連絡先はjunko0707@icloud.com


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2019年11月27日水曜日


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