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「必要な足」乗客安堵 阿武急丸森−槻木再開 沿線に日常戻る

運行を再開した阿武隈急行の仙台行き列車に乗り込む乗客=6日午前6時45分ごろ、角田駅

 台風19号で被災した第三セクター鉄道の阿武隈急行(伊達市)の丸森(宮城県丸森町)−槻木(同柴田町)が約2カ月ぶりに運行を再開した6日、沿線の駅には利用客が列車に乗り込む光景が戻った。運転本数は少ないものの、仙南地域と仙台方面を結ぶ鉄路の復活を喜ぶ声が上がった。(1面に関連記事)

 丸森駅では午前5時37分の始発に2人が乗った。丸森町の会社員武藤広樹さん(25)は「代替バスは通勤時間が長くなるので、運行を待ち望んでいた。このまま阿武急は走らなくなるのでは、との不安もあった」と語り、安堵(あんど)した様子で目的地の槻木駅へ向かった。
 仙台直通も再開した。利用者が多い角田駅(角田市)のホームには午前6時半ごろ、約90人が列をつくった。JR仙台駅で乗り継いで多賀城市内まで通勤する会社員加藤守也さん(60)は「直通なら1時間半ほどで着く。角田市外で働く住民にとって、なくてはならない足だ」と強調した。
 代替バスが停車しなかった無人駅でも、通学の高校生たちが久々に列車を待った。岡駅(角田市)を利用する伊具高1年最上直樹さん(15)=宮城県大河原町=は不通の間、JR大河原駅から槻木駅に行き、バスに乗り換えていた。「学校近くの丸森駅まで列車1本で行ける。普段通りに戻って良かった」と話した。
 東船岡駅(柴田町)から乗った角田高1年金津拓弥さん(16)=柴田町=は「バスは阿武急より3倍くらい時間がかかっていた。学校に早く着くのでありがたい」と笑顔。伊具高と角田高は代替バスのダイヤに合わせて始業時刻を繰り下げていたが、運行再開を受け通常に戻す。
 沿線の自治体は、運行再開を復興への追い風として期待する。丸森町の保科郷雄町長は「地域の活気につながる。復旧ボランティアの意思がある方も阿武急を利用して来てほしい」と呼び掛ける。
 一方で、富野(伊達市)−丸森の運休が続くことには「町内から福島方面の学校に通う町民も多く、不便との声は残っている」と述べ、全線開通を望んだ。


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2019年12月07日土曜日


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