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東松島・宮戸大高森薬師堂の修復完了 住民の思い結実

修復された大高森薬師堂を見つめる木島さん

 宮城県東松島市宮戸に大正時代、当時の知事が観光施設として建立した大高森薬師堂の修復工事が完了した。韓国版トレッキング「宮城オルレ」の奥松島コース上にあり、修復の要望を重ねてきた住民は埋もれた名所の復活を歓迎している。

 薬師堂は松島四大観の一つ、大高森の中腹にあり、木造平屋で高さ5.5メートル、床面積12平方メートル。本尊は県内最古の木造建築と伝えられる高蔵寺(角田市)の柱を使った白木造りの薬師如来像。瓦は国宝・瑞巌寺(松島町)と同じ奈良県の窯場から取り寄せたという。
 1915(大正4)年、森正隆知事が建てたとされ、県が同年作成した松島地域の観光施設の整備計画をまとめた「松島公園経営報告書」に大高森薬師堂と読み取れる記述がある。観光振興の趣旨で建立されたとみられる。
 大高森薬師堂を研究する奥松島縄文村歴史資料館(東松島市)の菅原弘樹館長は「大高森を核に観光開発した象徴で、松島の観光政策を考える上で非常に重要な施設だったのではないか」と推測する。
 東日本大震災以前は地域住民が清掃をしていたが、震災後は手付かずの状態に。老朽化が進み、瓦屋根のずれや床板の破損、階段の崩れなどが目立っていた。
 地域住民らでつくる奥松島観光ボランティアの会が損傷や腐敗状況を確認し、5年ほど前から市や県に修繕を働き掛けていた。
 修復は県が施工し、昨年12月から2300万円をかけて工事した。県観光課の担当者は「宗教施設ではなく、県が整備した歴史的建造物として修繕した」と説明する。
 薬師堂は宮城オルレ奥松島コースの出発地から500メートルほどの場所にある。同会事務局を務める木島新一さん(69)は「薬師堂の前で足を止めて手を合わせ、一日の安全を祈って歩いてもらいたい。市の文化財となって長く残してほしい」と期待する。


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2019年12月08日日曜日


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