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原発事故避難先での台風被災、福島県内325世帯 居住広域で即時支援難しく

双葉郡内からの原発避難者が身を寄せる夏井川沿いの住宅地=11月19日、いわき市平の平窪地区

 台風19号では東京電力福島第1原発事故の避難者も二重に被災し、福島県内では避難先で計325世帯が家屋浸水などの被害を受けた。原発事故で被災した双葉郡内には全域避難が続く自治体もあり、全国に広域的に散らばった住民への即時支援の難しさが浮き彫りとなった。

■電話で安否確認

 原発事故で双葉郡から県内各地に避難し、台風19号でも被災した世帯数は富岡町108、浪江町84、大熊町79、双葉町27、楢葉町22、葛尾村3、川内村2。広野町は被害が確認されていない。多くが夏井川や好間川が氾濫したいわき市内で、床上床下浸水のほか車の水没も含めた。
 二重で被災した住民が最も多かった富岡町は2017年春に一部を除き避難指示が解かれた後も、町民約1万2800人のうち9割がいわき市など町外で暮らす。
 台風対応で町は警戒レベル4以上の避難勧告・指示が発令されたエリアに住む県内外の町民を抽出し、電話で安否確認。水や食料を町のいわき、郡山両支所に準備したほか、町社会福祉協議会と連携し高齢者や独居世帯も訪問した。
 町総務課の林紀夫課長は「台風が過ぎた後の安否確認にならざるを得ず、直接的、即時的な支援の難しさを認識させられた。町外で何をどこまでできるか、考えなければならない」と悩ましさを口にする。

■延べ70人を派遣

 町は各種証明書発行手数料の免除や町税減免といった支援を打ち出すとともに、郡山市や大玉村など4市町村に職員派遣を打診。いわき市には臨時給水所の運営などに延べ70人を派遣した。
 「町民が世話になっている被災自治体を支援することが生活再建にもつながると考えた」と林課長。双葉町や大熊町も被災自治体に職員を派遣した。
 全町避難する双葉町はいわき市に仮役場を置く。町生活支援課の担当者は「町内での対応と異なり職員がパトロールをしたり、消防団から連絡をもらったりして状況確認することができない」ともどかしさを打ち明ける。

■「備え」呼び掛け

 帰還困難区域を除き避難指示が解除されている浪江町も電話で県内外の町民の安否を確認したが、台風襲来と同時にはできなかった。被災自治体に浸水地域の情報を尋ねながら、町民が居住しているかどうか絞り込んだ。
 町二本松事務所生活支援課の担当者は「地元でないだけに、住所の大字小字を見ただけでは浸水の有無を判別しにくい」と語る。町総務課の安倍靖課長は「居住する市町村のハザードマップを日頃から確認し、災害に備えてほしい」と呼び掛ける。


2019年12月08日日曜日


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