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不祥事相次ぐ福島県教委、倫理研修会を緊急開催 現場「根絶難しい」

3年ぶりに開催され、教員ら約800人が出席した倫理研修会。有識者が法令順守の重要性を強調した

 犯罪やハラスメントといった不祥事が続き、本年度はここ10年間で最多となる5人の逮捕者を出した福島県教委は9日、外部有識者らを講師に招いた緊急の倫理研修会を福島市で開催した。公立の小中高校と特別支援学校の管理職ら約800人が出席。研修では県教委幹部が「教職員への信頼なくして教育は成り立たない」と訴えたが、現場にどこまで響くかは不透明だ。
 「お前たちはばかか」
 研修会の直前、県教委に保護者からの抗議の電話があった。「(不祥事を)やめると何度言っても直らない。娘を安心して学校に通わせられると思うか」。約40分間に及ぶ電話の内容を県教委幹部が明かすと、会場の県文化センターは緊張感に包まれた。
 県教委によると、本年度の懲戒処分は免職6件、減給5件、戒告3件。少女に複数回淫行したとして児童福祉法違反罪の有罪が確定した男性高校教諭ら逮捕者は5人に上る。
 3年ぶりとなる研修会で加藤知道教育次長は「非常に深刻な事態だ。一人一人が『わがこと』と捉え、内容を自校の教職員と共有してほしい」と呼び掛けた。
 各校は法令順守に取り組む服務倫理推進員を1〜3人配置している。不祥事多発を受けて県教委は夏前にも緊急の地区別研修を実施したが、今月6日に新たに3人が懲戒免職となるなど歯止めがかからない。
 研修では教育問題に詳しい渡辺慎太郎弁護士が「事例を知り、自身の業務や経験と照らし合わせて考えることが重要」と指摘。「不祥事の防止には時間と労力がかかる。一番時間を割きたい『教育』にしわ寄せが生じるが、これを必要コストと認識しなければならない」と強調した。
 約2時間にわたった研修の終了後、出席者は「研修直後は心に響いても、家庭や仕事の日々のストレスで徐々に薄れていく」(会津地方の男性中学教諭)、「勤務外の時間までは行き届かず、根絶は難しい」(浜通りの男性中学教諭)とそれぞれ打ち明けた。
 県教委職員課の中野茂主幹は「手を替え品を替えて、少しでも一人一人に届くようにするしかない。不祥事の要因は一つではなく、悩ましい」と語った。


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2019年12月10日火曜日


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