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仙台高裁が和解を提案 名取・閖上津波訴訟が結審

 東日本大震災の津波で家族4人が名取市閖上地区で死亡・行方不明になった遺族が、市に約6700万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審口頭弁論が10日、仙台高裁であり、結審した。高裁は判決期日を指定せず、和解を提案した。
 遺族側は故障で機能しなかった市の防災無線は「故障すれば住民に危険が及ぶのに通常有すべき安全性を欠いた」と指摘した。
 その上で、公の設置物の管理に不備があった場合の賠償責任を定める国家賠償法2条を適用する場合、市が使う無線の不備で生じた損害の法的責任を認定する上で故障の予見可能性の有無は問題にならない、と改めて主張した。
 市側は書面で「予見可能な範囲を超えた突発事態にまで瑕疵(かし)が認められるのは不合理だ」と強調。予見可能性を考慮し市側の責任を免じた一審仙台地裁判決に触れ「最高裁が示した判断基準に沿う」と反論した。
 遺族の意見陳述もあり、原告の男性は「高裁には地裁から積み上げた証拠を精査し、正義の判決を下してほしい」と訴えた。
 地裁判決によると、無線は地震発生時の揺れで親機に異物が混入して故障し、市は気付かずに避難指示放送を繰り返した。
 判決は市の無線管理の不備を認めつつ故障は予見できなかったと判断。市が広報車での避難呼び掛けを見送った点と併せ、家族の死亡との因果関係を否定した。


2019年12月11日水曜日


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