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照明灯問題 全額穴埋めで仙台市役所内にくすぶる不満 「将来幹部」の負担増に

 仙台市の道路照明灯問題で、市の損失3440万円を管理職が全額穴埋めする方法を巡り、市役所内に不満がくすぶっている。管理職の親睦会費を財源に充て10年以上かけて弁償する段取りだが、期間が長く「将来の幹部」の方が多く負担するためだ。照明灯業務に関係のない職員が協力する一方、チェック機関の市議会がほぼ「無傷」なことにも疑問の声が上がる。

 市によると、穴埋めは全職員が加入する職員互助会から、次部長級の親睦会が全額を借り入れ、年度内に寄付金などの形で、まずは市に全額を弁償する。
 互助会への返済は、特別職を含む局長級親睦会(約40人)が年会費を2万円、次部長級親睦会(約160人)が1万円、それぞれ増額し、資金の半額を工面する。残り半額は課長級(約700人)を含む三つの親睦会の余剰金を充てる。
 市は退職した元管理職にも協力要請する方針だが、各親睦会で毎年いくら余剰金が出るか、退職者がどれだけ協力するかは不透明。市幹部は「全額弁償までは10〜15年」と見込む。
 市役所内にスキームが示されると、職員からは異論が噴出した。ある管理職は「あと数年で定年退職する局長級より、これから局長や次部長に昇格する世代の方が長く、多く負担する仕組み。責任の重さからしておかしい」と指摘する。
 不満の背景には、郡和子市長が職員に穴埋めを求めた理由がある。市長は9月の定例記者会見で「組織の業務執行の在り方が問題だった。(穴埋めは)マネジメントに関わる管理職と判断した」と説明した。
 別の管理職は「過去の不祥事の責任を今の管理職、退職者が負うという判断だと思った。将来世代にまで責任を取らせるスキームは説明と矛盾する」と憤る。
 親睦会という任意組織の資金を当てにしながら、職員の同意を後回しに拠出を決めた手順にも不満が出ている。局長級職員の一人は「普通は職員の承諾を得るのが先だろう」と苦言を呈する。
 矛先は議会にも向かう。議員は市長や副市長に歩調を合わせてボーナスの増額を実質1年見合わせる方針だが、報酬カットはなく、首をかしげる職員もいる。
 市幹部は「照明灯の電力契約を確認できるほど、詳細な資料を議会側に提示していない」とかばう。ベテラン議員も「通常の予算、決算審査で問題に気付くのは困難」と主張するが、職員はチェック機関の責任に厳しい視線を向ける。

[道路照明灯問題]仙台市が道路照明灯の電力契約を解除し忘れ、約9200万円の電気代過払いが発覚した問題。市の全庁調査で契約漏れによる約2300万円の未払いも判明した。市と東北電力が協議し、(1)東北電が照明灯のLED(発光ダイオード)化事業の協力金4600万円を寄付(2)市は10年の時効を迎えていない未払い額1140万円を東北電に支払う−ことで和解。市は過払いから東北電の負担を差し引いた3440万円を損失額と算出した。


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2019年12月10日火曜日


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