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丸森・阿武隈川支流の堤防決壊、原因は陸側の水 「通常とは逆に」学術調査団が分析

台風19号の被害のメカニズムについて知見を共有した速報会

 台風19号の東北学術合同調査団が14日、仙台市青葉区で調査結果の速報会を開いた。団長の田中仁東北大教授(水工学)は、宮城県丸森町の阿武隈川支流で多発した堤防決壊について分析。陸側から河川側に流れ込んだ水が主な原因とする同県の見方と同様の結論を導いた。
 現地調査に加え、阿武隈川支流の内川と新川、五福谷川で実施した氾濫シミュレーションを踏まえた。田中教授は「氾濫した水が宅地などを流れて下流域に集まり、再び川に戻る際に堤防を削り取りながら越えた」と述べた。特に河川の合流点で集中して発生したという。
 「通常は川から水があふれるが今回は逆。堤防の造り方に対策が必要なことを示唆している」とも指摘。増水した本流が支流に逆流する「バックウオーター現象」に関し「阿武隈川と内川の合流点では発生していない」と説明した。
 森口周二東北大准教授(地盤工学)は、大規模崩落した仙台市泉区の市道のり面が1960年代に斜面を盛り土した部分だったことを報告。市は宅地の造成年代や切り土・盛り土を示すマップを公開しており「住民がリスクを把握する上で非常に有益」と強調した。
 台風では各地で流木が橋に詰まって川の流れをふさぎ、氾濫の原因となった。岩手県の被害を調べた小森大輔東北大准教授(水文学)は「地下水路にも土砂や木が流れ込み、浸水被害を生じさせた。一方で流木が沢で土石流をせき止め、減災の役割を果たしていた場所もあった」と語った。
 調査団は土木、地盤工学、日本地すべりの3学会東北支部と東北大災害科学国際研究所で構成。速報会には研究者ら約200人が参加した。来年3月に最終報告会を予定する。
 宮城県は11月に開いた復旧工法を考える検討会で、堤防の決壊原因についての見解を示していた。


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2019年12月15日日曜日


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