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「知事案件」受け身の仙台市政 県民会館と県美術館の移転に議論が集中

 仙台市議会12月定例会は「ここは県議会か」と思うような様相だった。東京エレクトロンホール宮城(県民会館)と県美術館の移転、みやぎ型の水道事業民営化、宿泊税。村井嘉浩知事が繰り出した県政の重要案件に議論が集中した。いずれも市民への影響が大きく、市の明確なスタンスが問われたが、受け身の姿勢ばかりが目立った印象だ。
 県民会館と県美術館の移転は、市のまちづくりを揺るがしかねず、とりわけ関心を集めた。代表質疑や一般質問では「美術館の存続を望む市民の思いを主張すべきだ」「県民会館の跡地活用策を考え、知事を動かす必要がある」など郡和子市長への注文が相次いだ。
 だが、トップの答弁は無味乾燥だった。「まちづくりや市民生活への影響を考え、市の考え方をまとめ、県に対して意見を申し上げる」。なんとも悠長で、スタンスのかけらもない。がっかりして、取材ノートにメモする手を止めた。
 水道民営化にも及び腰だ。県広域水道の最大の受水自治体として、県に安全を担保させる具体的な行動を求めた議員に対し、郡市長は「受水市町の意見をしっかり伝えられる方向で提案する」と抽象論で答えた。これでは心もとない。
 「市民の代表として、知事に言うところは言ってもらわないと…」。歯がゆさを訴える議員に共感した。
 ただ、議会も市長に求めるだけでいいのかとも思う。県議会と協議の場をつくり、問題意識や課題を共有する取り組みがあってもいい。市長が動かないなら議会が動くという気迫が見たい。知事に振り回される109万都市は情けない。
(報道部・横川琴実)


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2019年12月21日土曜日


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