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ポンプ停止で100世帯浸水「人災だ」 福島市の住民怒り 台風19号で被災

浸水被害を受けた住民らから質問が相次いだ説明会=23日午後7時ごろ、福島市黒岩の福島県青少年会館

 台風19号で住家の浸水被害が多数発生した福島市郷野目地区で阿武隈川支流の濁川の堤防が決壊し、市が管理している「郷野目雨水ポンプ場」のポンプ2基がともに一時緊急停止していたことが分かった。市が23日夜に福島県と開いた説明会で明らかにし、被災した住民から「ポンプがあるから安心だと思っていた」「人災だ」などと怒りの声が上がった。
 市によるとポンプは10月12日午後7時半に1号、同日午後8時すぎには2号が運転を開始した。13日午前1時半ごろに濁川の堤防が決壊した後もしばらく稼働し続けていたが、燃料系統が浸水したため同日午前8時10分に2基とも緊急停止した。同日午後10時10分までに復旧した。
 ポンプ場は1986年の8.5豪雨で郷野目地区が浸水被害に遭ったのを受け96年、地区内の雨水など内水を阿武隈川支流の大森川に流すため市が設置した。
 郷野目地区は濁川と大森川が合流し、本流の阿武隈川に流れ込む地点に位置する。今回の台風19号では約100世帯が浸水被害を受け、日東紡福島工場の敷地も冠水被害を受けた。
 午後6時半に始まった説明会は、ポンプ緊急停止が被害を拡大させたのではないかと案じる住民の質問が相次ぎ、約3時間に及んだ。住民らは「リフォームしたところで来年も安心して暮らせるのか」「台風19号の通過からだいぶ時間がたった。なぜこの時期の説明会開催なのか」などと市側をただした。
 市が被災者向けに開設した総合相談窓口での担当者による不適切な対応や、避難情報を発信した緊急速報メールが文字数の制限から全て表示されなかったことなども指摘された。
 市や県の担当者は「対策を講じるが、時期は確約できない」などと述べるにとどまり、回答に窮する場面も多かった。市と県は来年1月末までに、改めて住民に対する説明の機会を設ける考え。


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2019年12月25日水曜日


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