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台風19号「災害発生」発令わずか8市町村 福島県内、判断迷い見送り多く

 台風19号による浸水被害に遭った福島県内で、避難を呼び掛ける警戒レベルが最も高い「5」に相当する災害発生情報=?=を発令した自治体は8市町村にとどまったことが県の調査で分かった。広範囲で河川の堤防決壊などが相次ぎ、気象庁は「レベル5相当」として氾濫発生情報などを早い段階で51市町村に出したが、大多数が災害発生情報発令を見送った。東北でレベル5規模の災害は台風19号が初めてで、判断に迷いが生じたとみられる。

 県内は21市町村で国・県管理河川の堤防決壊や犠牲者が発生した。危険度が高かったこれらの自治体に絞ると、レベル5発令は2割強の5市町村だけだった。
 国は5月、それまで最も緊急度が高かった避難指示の上に新たに災害発生情報を設定した。「命を守る行動のために極めて有効」として災害発生を確認した場合に可能な範囲で発令するよう求めた。
 警戒レベルと別に気象庁は台風が県内を通過した10月12日夜〜13日未明、全59市町村中51市町村に大雨特別警報を発令。このうち7市には氾濫発生情報も出した。二つの情報は市町村が災害発生情報を発令する参考となるよう「レベル5相当」として公表された。
 氾濫発生情報を把握後もレベル5発令を見送った南相馬市は「消防団からも氾濫の情報があったが、夜だったため現地確認できなかった。市全域に出すか一部に出すかの判断が難しく、発令自体を見送った」と説明する。伊達市は「警戒レベルをしっかり把握しているつもりだったが、実際は判断を迷った」と話した。
 内閣府は3月公表のガイドラインで、レベル5の発令基準を「氾濫発生情報などで決壊や越水が把握できた場合」と例示。具体的な基準を定めるよう市町村に求めているが、多くは基準がなかった。
 内閣府の担当者は「命を守る最善の行動を呼び掛けるレベル5であり、基準を満たした場合は極力使ってほしい」と述べた。有識者による作業部会を設置し、当時の避難行動を検証している。

[災害発生情報]今年5月に導入された警戒レベルで最高の「5」。河川氾濫などの発生時、市町村が可能な範囲で発令する。昨年7月の西日本豪雨で「避難情報が分かりにくい」との声が上がり、防災情報を5段階に数値化。レベル4の避難指示(緊急)や避難勧告の時点で「全員避難」を求める。レベル5は切迫する危険を短く直感的に伝えることで、垂直避難などの「命を守る最善の行動」を促す狙いがある。


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2019年12月25日水曜日


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