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消防の技が復旧後押し 台風で被災した家屋の床板外し、無償で

家屋の復旧に向けてボランティア活動に当たる消防職員ら=いわき市平下平窪

 台風19号などによる大雨で4900棟以上の住宅が被災した福島県いわき市で、浸水住宅の復旧など技術を要するボランティア活動に、同市の消防職員有志が汗を流している。消防の技能を生かして市民の生活再建を後押しする。メンバーらは「住宅の知識が増え、本職にも役立つ」と意欲的だ。

 決壊した夏井川の堤防に近い同市平下平窪の住宅で今月、そろいの作業着姿の男たちがバールや電動丸のこを手に床板を次々と取り外した。床下には湿った泥が広がる。
 作業に当たったのは消防職員の有志グループ「いわき災害活動勉強会」のメンバー6人。会は2016年に発足し、年3回ほどの研修会で災害医療や救助技術などを学んでいる。20〜40代の約100人が参加している。
 市災害ボランティアセンターは安全への配慮などから床板や壁板を外す作業は原則行わず、その後の泥出しや清掃を担う。床板などが乾燥と復旧の妨げになっている世帯を支えようと、勉強会が11月から作業を買って出ている。
 会長の岩倉一将さん(41)=消防本部警防課=は「消防士は工具を使え、環境への順応性も高く作業をすぐ覚えられる」と話す。
 支援活動は、無料通信アプリで非番や休日のメンバーを募る。これまで約20日間で延べ80人以上が携わった。休息も欠かせないため、無理のない範囲での活動を心掛けている。
 同会顧問の関根達也さん(48)=常磐消防署=は「建物の構造がより深く分かれば救助活動にも役立つ。いろいろな知識は会員のレベル向上につながる」と意義を語る。
 OBを含む消防関係者による災害ボランティアは東日本大震災以降増えており、昨年の西日本豪雨の被災地でも活躍した。岡山県で活動した支援団体のピースボート災害支援センター(東京)が、岡山側の消防関係者と交流があった縁で勉強会にボランティア活動を呼び掛けた。
 センターは台風被災地の支援のためいわき市に拠点を置き、家屋保全の講習会を実施。勉強会と連携して支援作業にも当たっている。センター側には支援ノウハウを持つ地元関係者を育成する狙いがあり、勉強会に工具類一式を提供した。
 岩倉さんは「地元や他地域で起きる次の災害の被災地でも活動できるよう、経験を積みたい」と話す。


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2019年12月24日火曜日


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