宮城のニュース

津波で流出したアマモ場が復元、アラメほぼ全域に分布 宮城・志津川湾藻場調査

藻場調査で撮影された海中のアラメ群(南三陸町提供)

 宮城県南三陸町がラムサール条約登録湿地の志津川湾の保全に向け、19年に実施した藻場調査の結果がまとまった。藻場を構成する主要な海藻や海草の分布を把握。東日本大震災の津波で流出したアマモ場が復元している海域も確認した。
 調査は電力中央研究所(東京)に委託し、19年5〜7月に実施。船上から小型カメラが付いた器具を沈めて1平方メートルの海底を撮影し、解析ソフトを使って種類ごとの分布や量を調べた。
 志津川湾は暖流と寒流が混ざり合う独特の海域で、多様な海藻・海草が育つ。調査の結果、藻場を構成する主要な海藻としてアラメやマコンブなど8種類、海草はアマモやスガモなど3種類を確認した。湾内が北限に近いとされるアラメはほぼ全域で見られ、泊崎半島東側や椿島周辺には濃密に生えていた。
 アマモは内湾の砂地に生え、志津川湾で越冬するコクガンの重要な餌になっている。生き物のすみかや産卵場にもなり、海の環境を維持する役割を担う。波伝谷漁港周辺の海域では震災の津波で流出したアマモ場が復元し、分布が広がっていた。
 町自然環境活用センター研究員の阿部拓三さん(45)は「海洋環境の変化を予測する上で、藻場の分布は重要な情報になる。今回の調査を通じて、基礎となる科学的データを残せたことは大きい」と話す。
 調査では、海藻が消滅して石灰藻が海底を覆う「磯焼け」の原因の一つとされるウニの分布も分かった。水深が深い海域で多く生息し、磯焼けが見られた。
 阿部さんは「湾内の場所に合わせた保全や再生の仕方を考えないといけない。調査は定期的に続ける必要がある」と強調する。
 湾内全域を網羅する調査は初めてで、志津川湾が18年10月にラムサール条約に登録されたのを機に実施した。調査結果は阿部さんが3月に開かれる日本藻類学会で発表する。


関連ページ: 宮城 社会

2020年01月01日水曜日


先頭に戻る