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コンブやワカメをバイオプラスチックに 岩手大が開発に注力 民間企業と共同研究も

バイオプラスチックの研究に取り組む山田准教授(左)と森谷さん

 岩手大農学部の山田美和准教授(38)=応用微生物学=の研究室が、三陸産のコンブやワカメを原料とするバイオプラスチックの開発研究に力を入れている。石油由来のプラスチックによる環境汚染が深刻化する中、民間企業と共同で実用化を目指す。
 研究室は約5年前にバイオプラスチックを合成する微生物の研究に着手した。コンブ、ワカメなど褐藻類に多く含まれる糖質を源としてバイオプラスチックを合成する細菌2種を発見。このうち大船渡湾で採取した細菌を使った技術で、昨年8月に特許も出願した。
 分解されない石油系プラスチックは、環境や生態系への影響が懸念される。このため国内外の素材メーカーが、最終的に水と二酸化炭素になって自然に返るバイオプラスチックの開発競争を繰り広げている。
 日本バイオプラスチック協会(東京)によると、国内のバイオプラスチック推計出荷量は分解されない素材も含めて年間3万9500トン。全プラスチック出荷量(1100万トン)の0.4%にすぎない。
 現状のバイオプラスチック製造は原料の多くを海外のパーム油などに依存しているが、コンブやワカメなら三陸が国内有数の産地となっている。収穫後、大量に廃棄される部位も利用できる利点があるという。
 研究室では現在、細菌の遺伝子組み換えや増殖に最適な環境を探っている。民間企業との共同研究も進んでおり、大学院生の森谷大樹さん(24)は「細菌の合成能力をどう高めるかが今後の課題」と話す。
 山田准教授は「地産地消の素材として農業用シートや漁具などの資材に使えるようにしたい。岩手でモデルケースを育てたい」と意気込む。


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2020年01月04日土曜日


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