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リンゴ狩り・カヌー・自転車…体験型ツアーで訪日客呼び込め 青森で商品開発進む

十和田湖でカヌー体験をするガイドら=昨年9月、十和田市

 青森県の観光関係者が、外国人旅行者に向けた体験型ツアーの充実に取り組んでいる。豊かな自然を生かして客を呼び込み、リピーターとしても取り込む狙い。これまでも人気のリンゴ狩りに加え、カヌーや自転車を活用した新しい商品の開発も進む。

■宿泊者数3.7倍

 2019年9月、弘前市りんご公園に台湾からの観光客約30人が集まった。同園の担当者は「ここ3年でほとんど海外のお客さんになった」と話す。初めて青森でリンゴを収穫したという李亜蓉さん(40)は「10回以上日本に来ているが青森は初めて。リンゴは台湾では高価なのでこんな体験ができることに驚いた」と笑った。
 観光庁が発表した統計によると、18年の青森県の外国人延べ宿泊者数は前年比34.1%増の34万9050人で、5年前の約3.7倍になった。19年11月からは、冬季の青森−台北便が2便から5便に増便。県は「観光客の獲得には、旅行内容の充実が勝負どころ」と力を込める。

■事業者ら連携

 「1回のツアーは何時間ぐらい?」「自治体の垣根を越えて予約や事業者を紹介できる体制を整備する必要がある」。十和田湖ほとりのキャンプ場で19年9月、県内で体験型ツアーに関わる事業者やガイドが意見交換した。
 各地のツアーを観光関係者自身が体験し、組み合わせて一つの商品にすることなどを検討。参加者たちは午後、十和田湖をカヌーで遊覧した。
 08年から十和田湖でカヌーツアーのガイドをしている村上周平さん(39)は「湖面との距離が近く、パドルを通じて水に触れることで、自然を身近に感じられる。ゆっくりと進むカヌーでは、通り過ぎるだけでは分からない十和田湖の魅力に気付けるのでリピーターも多い」と話す。
 県内では、長距離サイクリングや、ボードの上に立ち、パドルで水をかいて進む「スタンドアップパドルボード」を陸奥湾で楽しむツアーも人気だという。

■手ぶらで観光

 環境整備も進む。佐川急便は19年9月から青森市や十和田湖周辺のホテルと連携。出発時にホテルに荷物を預ければ、サイクリングや登山で移動した先で受け取れるサービスの実証実験を実施した。荷物の多い外国人観光客が手ぶらで観光を楽しめ、体験型ツアーの参加増も見込めるという。
 青森大観光文化研究センター長の佐々木豊志教授は「八甲田山で行われているバックカントリースキーツアーなどにも注目が集まっている」と指摘。「海、山、湖といった多様な環境は他県と比べて強みだ。課題は人材不足で、魅力を伝えるガイドをどのように育てるか大学としても考えていきたい」と述べた。


関連ページ: 青森 経済

2020年01月06日月曜日


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