山形のニュース

昭和レトロなラベルシール復刻 山形の文昇堂印刷、注文生産開始

昭和レトロラベル(右)と昭和に作られたラベルを持つ渡辺社長

 山形市の文昇堂印刷は、かつて包装紙の端や紙箱のふたを留めるのに使われたラベルシールを「昭和レトロラベル」として復刻し、注文生産を始めた。デジタル化した印刷機では出せない風合いが郷愁を呼び起こす。渡辺正昭社長(61)は「ぬくもりがあって触りたくなるラベルに仕上がった。昭和文化も伝承できればうれしい」と話す。
 ラベルは、幅1ミリ未満の輪郭線や全体の凹凸など昭和期の特徴を踏襲した。原紙に圧力を加える「平圧活版印刷」で立体感を出すなど、往時のラベルを忠実によみがえらせた。
 百貨店や商店の包装紙留めや、封筒などの封かんといった需要を見込んでいる。基本料金は1色印刷の5センチ角で2万円(税別)。別途、紙代と印刷代などがかかる。レトロなデザインに魅力を感じる個人からの注文にも応じる。
 昭和初期に創業した同社は戦後、東北でいち早くラベル印刷機を導入した実績を持つ。事業相談をしていた山形市売上増進支援センター「Y−biz」の助言を受け、自社の歴史を調べる中でラベル復刻のアイデアが浮かんだという。
 当時は、図柄を彫った金属の版にインクを付けて印刷する手法だった。原紙ごと切り取る刃型と版が一体化した道具を使っていたため、刃に付いたインクが輪郭線を生み出していた。
 ラベル原紙や金属の版が現存しないため、同社は再現に向けて、版の素材や製造方法を3カ月かけて研究。埼玉県朝霞市の刃型製造業者の協力を得て、新たな製法を開発した。
 渡辺社長は「デジタル化がますます進むであろう令和の時代に、手間をかけた昭和のアナログ感が注目されている。全国の小規模なシール・ラベル業者と連携し、取り組みを広げたい」と意気込む。
 連絡先は同社023(686)5105。


関連ページ: 山形 経済

2020年01月06日月曜日


先頭に戻る