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攻めの運営で入場最多 東北楽天出身のJ2山形社長

「選手が一番やりやすい環境をつくりたい」と語る相田社長=山形県天童市内

 サッカーJ2山形が攻めのクラブ運営でV字回復を目指している。積極的な誘客策で観客が大幅に伸び、チームもJ1昇格にあと一歩まで迫った。改革の旗手は、プロ野球東北楽天などを経て昨季就任した相田健太郎社長(45)。東北楽天で培ったノウハウも生かし、J1に定着する土台を着々と築いている。
(スポーツ部・原口靖志)

 昨季の山形は飛躍の一年となった。ホーム21試合の総入場者数は17万4064人(1試合平均8289人)で、2018年の14万2094人に比べて3万1970人増加し、J2ではクラブ史上最多を更新した。チームも6位となり3季連続の2桁順位から躍進。5季ぶりにJ1参入プレーオフに進出したが、2回戦で徳島に敗れて昇格は逃した。
 「昇格できると信じていたので、初めて強い虚脱感を持った」と悔やんだが、誘客には一定の手応えを得たと言う。「お客さまにどうしたら来てもらえるか、たたき台をつくることができた」と振り返る。
 東北楽天での経験を存分に発揮した。07年から10年半にわたって営業などを担当。本拠地の楽天生命パーク宮城(仙台市宮城野区)への誘客策を参考に、スタジアムでの夏祭りや来場者へのポンチョなどのプレゼント、大型ビジョンでのオリジナル動画の放映などを取り入れた。ファミリー層を照準に試合告知のテレビCMも積極的に流した。
 東北楽天の三木谷浩史会長兼オーナーと立花陽三社長の名前を挙げ、「球団で教えてもらったことを実践しているのが今年はうまくいった」と感謝。「選手を勝たせる雰囲気をつくることをフロントの僕らがやらないといけない」と誘客増に向け迷いはない。
 フロント運営も手を入れた。社長室をなくして常に会議ができる開放スペースを設け、スタッフからアイデアを積極的に求めた。「自由に話したり形にしたりするようになった。社長の自分は仲間のやったことに責任を取ればいいだけ」
 今季は総入場者数で20万人を目指し、19年度予算の17億1400万円から事業規模のさらなる上積みにつなげたい考え。「J1に昇格しても安定して戦える規模にしたい。当面は仙台や大分がターゲット」とJ1で事業規模が近いクラブを当面の目標にする。
 今季は石丸清隆新監督を迎え、選手強化へ新たなクラブハウスも建設中。イヌワシのように飛躍する古巣に足並みをそろえ、新年も手腕を振るう。

<あいた・けんたろう>東洋大を卒業後、民間企業を経て2003年にJ2水戸に入社して営業を担当。07年から東北楽天で営業本部副本部長やセールス&ディベロップメント部長などを歴任し、17年6月にJ1神戸へ出向。強化部長兼スカウト部長や戦略室長などを務め、19年1月からJ2山形社長。南陽市出身。


2020年01月06日月曜日


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