宮城のニュース

クチバシカジカが産卵 宮城・南三陸町役場の水槽で

卵の世話をするクチバシカジカ

 宮城県南三陸町の町役場で飼育されているクチバシカジカが産卵した。国内で繁殖が確認されているのは南三陸の海域だけという希少な魚。水槽内での産卵は極めて珍しく、新年の明るい話題になっている。
 クチバシカジカは体長5〜7センチで、国内では本州北部の太平洋側に生息。県内は志津川湾や女川湾で確認されている。
 産卵したのは、町自然環境活用センター研究員の阿部拓三さん(45)が昨年12月に志津川湾で生物調査中に見つけた雌。同時に取った雄と一緒に水槽で飼育したところ、白い卵約300個がフジツボの殻の中に産み付けられているのを、阿部さんが今月6日に確認した。
 雌は雄の縄張りで産卵するため、雌雄の相性や産卵場の環境が重要だという。産卵したのは年明けとみられる。雄が卵を保護する習性があり、とがった口で卵に新鮮な水を吹き掛けるなどして育てている。
 クチバシカジカの生態を研究する阿部さんは「水槽で産卵を見たのは十数年ぶり。雄が雌をいじめるようだと逃がそうと思っていたので、産卵に至ったことはうれしい」と話す。
 町役場の交流スペース「マチドマ」で観察できる。今月下旬に戸倉公民館内の町自然環境活用センターに水槽を移す予定。2月中旬には飼育設備が整っている北大に卵を送り、ふ化させる計画だ。
 クチバシカジカはイノシシに似た顔つきが特徴で、ダイバーにも人気がある。阿部さんは「卵がふ化して順調に成長すれば南三陸の海に放流したい」と語る。


関連ページ: 宮城 社会

2020年01月09日木曜日


先頭に戻る