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学校避難訓練を多角的に評価 宮城県教委と東北大連携しチェックリスト作成

 学校防災の取り組み強化を目指し、宮城県教委と東北大災害科学国際研究所(仙台市青葉区)などが共同で、地震・津波の避難訓練を評価するチェックリストなどの作成を進めている。石巻市大川小津波訴訟を踏まえ、教職員の防災意識と指導技術の向上を図る。訓練評価には保護者や近隣住民らが参加する仕組みにし、学校を中心に地域の防災力の底上げも狙う。
 県教委と連携するのは、東北大災害研のほか、早稲田大平山郁夫ボランティアセンター(東京)、学校安全教育研究所(埼玉県)。各機関が昨年春ごろから、県内小中高校の避難訓練の実態を調査。第三者による評価の必要性や、学校間、地域との連携などが課題として浮かんだ。
 調査を踏まえ、県教委などは「避難訓練指導パッケージ」と名付け、チェックリスト、DVD、手引の作成を決定。2021年度末までに段階的に完成させる計画。作成段階では南海トラフ巨大地震による被害が懸念される地域などと連携して試作を重ね、実効性を高める。
 チェックリストは訓練を実施した際の児童生徒の動き方や教職員同士の連携などを評価する。自校の教員だけではなく、他校の教員、専門家、保護者、地域住民らもそれぞれの立場で点検し、多角的な視点で訓練の内容を深める。
 DVDは大地震、津波の発生時に取るべき避難行動を伝える。教室、職員室、部活中の体育館、校庭などのシーンを盛り込み、校内で起こりうる課題を把握する。手引はチェックリストの使い方に加え、先進事例の紹介、安全担当主幹教諭らが訪問指導する際の想定問答を載せる。
 東日本大震災の津波で児童と教員が犠牲となった石巻市大川小の訴訟で、最高裁は昨年10月、市と宮城県の上告を退け、学校の事前防災の不備を認める仙台高裁判決が確定。学校防災の強化が求められている。
 共同研究の代表を務める早大平山郁夫ボランティアセンターの林田由那講師(学校防災)は「子どもの命をどのように守るか、学校と県教委、研究者、保護者が一体となって考える仕組みが必要だ。各校の取り組みを強化、推進できるものにしたい」と話す。


2020年01月12日日曜日


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