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福島で7人関連死か 台風19号から3カ月、避難先での負担大きく

 昨年10月の台風19号に伴う浸水被害を受け、避難中に体調を崩すなどして亡くなった「災害関連死」に該当する可能性のある人が、福島県内では少なくとも男女7人に上ることが各自治体への取材で分かった。中通りと浜通りの各自治体で被害が拡大した台風19号の通過から3カ月。県が近く開始する台風対応の検証でも、関連死を防ぐ被災者支援の在り方が議論になりそうだ。
(福島総局・関川洋平、斉藤隼人)

 台風19号で避難所を開設した55市町村に、関連死による災害弔慰金の申請状況を尋ねた。いわき市で50代女性、70代女性、80代男性、80代女性、90代女性の5人、鏡石町でも1人の遺族がそれぞれ申請。須賀川市では90代女性の遺族が申請の相談をしている。
 関連死かどうかは市町村の有識者委員会が審査し、認められれば遺族に弔慰金が支給される。3市町は申請段階であることなどを理由に死亡時の状況を公表していないが、いずれも避難所にいる最中や避難所から自宅に戻って間もない時期に亡くなったとみられる。
 現時点で申請が最も多いいわき市は、2月上旬にも委員会の初会合を開く。市保健福祉課は関連死を防ぐ方策として「避難所の環境改善は当然だが、自宅で体調を崩す人もいる。行政だけでなく医療方面からのアプローチも必要になる」との見方を示す。
 県内ではほかに、浅川町の認知症グループホームに入居していた女性(89)が施設の床上浸水で複数の避難先を回った後、体調を崩して入院先の病院で死亡していたことも分かった。
 グループホーム運営会社によると、女性は昨年10月12日に町内の保健センターに身を寄せ、同14日に塙町の特別養護老人ホームに移送された。2、3日後に発熱するなどしたため茨城県内の病院に入院し、同31日に肺炎で死亡したという。
 運営会社の担当者は女性の死因について「元々重篤だったわけではないが、何があってもおかしくない年齢でもある。避難のストレスで体調を崩したのか、さまざまな可能性が考えられる」と話した。
 女性の遺族は現時点で関連死での災害弔慰金を申請していないとみられるが、複数の避難先を転々とするのは被災者にとって負担が大きく、関連死につながる典型例の一つと言える。
 県が設置する台風対応検証の第三者委員会では、避難指示の発令方法などを再検討する。高齢者や障害者といった災害時要援護者は関連死の危険性も高く、支援策も議題になる見通しだ。
 東日本大震災の関連死は全国で3739人(昨年9月末現在)。都道府県別で福島県は最も多い2286人が認定されている。


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2020年01月13日月曜日


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