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強制不妊控訴審、仙台高裁で初弁論

横断幕を掲げ仙台高裁に入る原告側の弁護団ら=20日午後3時30分ごろ

 旧優生保護法(1948〜96年)下で不妊手術を強制された宮城県の女性2人が国に計7150万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審第1回口頭弁論が20日、仙台高裁であり、女性側は旧法を違憲としながら賠償請求を棄却した一審仙台地裁判決の取り消しを、国側は控訴棄却を求めた。

 弁論で女性側は、全国の同種訴訟の原告の被害を紹介し、手術による権利侵害の深刻さを指摘。「被害救済が遅れた責任は国にある。違法性を否定し、優生思想を払拭(ふっしょく)せず放置したことなどで被害者は権利を行使できなった」と意見陳述した。
 女性側は仙台地裁判決が適用した、不法行為から20年たつと賠償請求権が消える民法の除斥期間に言及。新たな主張として、日弁連が国に補償を求める意見書を提出し手術の不法性が客観的に公になった2017年2月を起点とし、除斥期間が当てはまる場合も、適用を制限するよう求めた。
 国側は、地裁判決が除斥期間を適用した点を支持し、起点は手術時と反論。「最高裁の判例で適用を制限したのは極めて限定的な場合のみで、優生手術は例外に該当しない」との認識を示した。
 高裁は、昨年4月に成立した被害者への一時金を支給する救済法が双方の主張に与える影響について、5月19日の次回期日までに見解を示すよう求めた。
 昨年5月の仙台地裁判決は「子を産み育てるかどうかを意思決定する権利(リプロダクティブ権)」に基づき旧法の違憲性を認定。
 被害救済に向けた立法措置は「必要不可欠だった」としつつ、リプロダクティブ権の法的議論の蓄積が乏しく、国会で救済の必要性が明白でなかったなどとして国の賠償責任を免じた。
 旧法廃止前に被害者が被害を訴え出ることは事実上不可能だったと認めたが、除斥期間の規定が適用されると判断した。


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2020年01月21日火曜日


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