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地域の危機?住民連携し課題解決へ 白石・斎川地区 人口減や少子高齢化など

円卓会議で、丸い紙に意見を書き出しながら話し合う参加者

 宮城県白石市斎川地区の住民が、地域課題の解決へ各種団体や多世代で連携する仕組みづくりを進めている。中学生以上の住民アンケートや世代ごとの集会で現状や課題を共有し、行政も交えた地域円卓会議を開催。人口減少や少子高齢化に加え、地元の小、中学校を失ったコミュニティー維持のピンチを、活性化のチャンスに変えようと知恵を絞る。

 田園や山林に囲まれた斎川地区には昨年11月末現在、373世帯970人が暮らす。高齢化率は41.2%(昨年3月末現在)。20年前に1539人いたが減り続け、2017年度末に斎川小、18年度末に南中と、地元にあった学校が相次ぎ閉校した。

 円卓会議は昨年8月末、旧斎川小の職員室であった。主催したのは、自治会や青年会など約20団体の代表者でつくる斎川まちづくり協議会。住民や行政関係者ら約40人が参加し、「お年寄りが生活で困ってきていること 買い物・通院の足の問題から考える」をテーマに意見交換した。
 行政の担当者3人は市民バスの運行状況や高齢者のタクシー利用助成、認知症予防カフェなどの施策を紹介。自治会長ら地元代表2人は、高齢者が数キロ先の市街地まで国道を歩いて買い物に通う事例や、交流サロンの参加者が高齢化で減り続ける現状を伝えた。参加者は4、5人に分かれて対応策を話し合った。
 講師を務めたのは新潟県村上市のNPO法人都岐沙羅(つきさら)パートナーズセンター理事・事務局長の斎藤主税(ちから)さん(48)。17年12月から、まちづくり協議会が開催している研修会「きらり斎川笑(しょう)アップ塾」に講師として招かれ、人口の減り続ける地域をどう持続していくか、住民と共に知恵を絞ってきた。
 「情報や悩みを共有する場を設け、10年後を見据えて何が必要かを考える。元気な年配者が地域を支えているが、次の世代は少ない。他地域の取り組みを調べたり、やってみたりして斎川での解決策を見つけるしかない」。円卓会議で斎藤さんは、そう力説した。

 円卓会議のテーマは、18年7月にまとめた中学生以上の全住民対象のアンケートを基にした。963人のうち85.5%の823人が応じ、買い物の不便さや、動物による農作物被害を課題とする回答が目立った。
 防災組織や自治会など、地域で活動する約30団体の年間活動時間は、延べ約5130時間に上った。1日当たり計14時間ほど活動している計算になる。
 成人の住民が、1人当たり三つほどの役割を担っている実態も判明。人口減少を踏まえた行事や組織の再編の必要性が浮上した。
 円卓会議に先立ち、まちづくり協議会は、若年層を対象にした集会も実施した。地域の厳しい現実を見つめ直し、29歳以下や、30〜49歳を対象にした集会の参加者から、地域の運動会や催事にスタッフとして主体的に関わる若者が出てきているという。
 まちづくり協議会長の成沢一男さん(68)は「調査や研修を重ね、円卓会議では住民それぞれ感じていた課題を具体的に捉えることができた。今後もざっくばらんに話し合い、できることから実行し、地域づくりに役立てていきたい」と話す。


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2020年01月14日火曜日


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