山形のニュース

山形大、飯豊のリチウム電池研究センター閉鎖検討 企業撤退続き稼働なし

山形大が3月末での閉鎖を検討しているxEV飯豊研究センター

 山形大が国内最先端のリチウムイオン電池研究拠点として整備した同大xEV飯豊研究センター(山形県飯豊町)を3月末で閉鎖する方向で検討していることが21日、分かった。共同研究に参加していた企業の撤退が相次ぎ、十分な成果が期待できないと判断した。センターは産学官連携で蓄電関連産業の集積を目指す「飯豊電池バレー構想」の中核施設で、地域への影響が懸念される。

 関係者によると、センター完成当初の2016年1月には、自動車、ロボット関連など約20社が共同研究に参加していたが、18年夏までにほぼ半減。昨年12月の学内監査では、本年度後半からほとんど稼働していない実態が明らかになったという。
 センターが関わる研究は16年、産学連携による新産業創出を目指す科学技術振興機構の「産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム(OPERA)」に採択された。しかし、昨年3月に公表された中間評価は、同じく採択を受けた東北、名古屋、広島の計4大学のうち最低で、「継続の是非を含めて再検討」するよう求められていた。
 センターは、町が誘致した大手照明器具メーカーの工場が13年3月に撤退したことを受け、町と山形大、山形銀行が連携して工場跡地に整備。電気自動車向けを主体にリチウムイオン電池の高性能化を進め、蓄電デバイス分野の産業を集積する飯豊電池バレー構想で、中核施設としての役割が期待されていた。
 電気自動車整備士の育成に力を入れる学校法人「赤門学院」(仙台市青葉区)は来年4月、敷地内に専門職大学を開設しようと文部科学省に設置申請している。教育内容の一部はセンターや同大の連携が前提となっており、閉鎖が決まれば影響は避けられない見通し。
 センター整備の総事業費は15億円で山形大が8億円、町が7億円を負担。町は周辺施設の整備や専門職大の開学準備などにも計23億円超を投資している。同大は閉鎖に向けた検討状況を既に町に伝えており、町は強く再考を求めている。
 センターでは17年10月、元センター長の男性教授からパワーハラスメントを受けたとして、職員が相次いで退職していたことが発覚。同大は18年7月、職員4人へのパワハラ行為を認定し、男性教授を1日分給与半減(減給額約1万円)の懲戒処分としていた。

[飯豊電池バレー構想]蓄電デバイスの研究開発拠点を核として雇用創出や交流人口の拡大、人材育成を目指し、山形県飯豊町が山形大、山形銀行と連携協定を結んで進める地方創生施策。山形大xEV飯豊研究センターを中心に研究者らの来町に対応するホテルや屋台村が既に整備されたほか、リチウムイオン電池材料を製造する貸し工場が9月に完成する予定。飯豊町の人口は約7000。


関連ページ: 山形 社会

2020年01月22日水曜日


先頭に戻る