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広がる波紋 山形大・飯豊研究センター閉鎖検討

山形大が3月末での閉鎖を検討しているxEV飯豊研究センター(下)と、左上から時計回りに山形銀行本店(山形市)、同大小白川キャンパス(同)、飯豊町役場のコラージュ

 山形大が同大xEV飯豊研究センター(山形県飯豊町)を3月末に閉鎖する方向で検討している問題で、センター整備をはじめ関連事業への投資規模が30億円余りに上る町や、関係者に波紋が広がっている。
 町は2013年、山形大、山形銀行と連携して蓄電関連産業の集積を目指す「飯豊電池バレー構想」を掲げた。センターは構想の中核施設。周辺施設の整備や、電気自動車の整備士を養成する専門職大の開学準備などにも投資している。
 古川正次郎商工観光課長は「まちづくりの方向として構想の推進に変わりはない」と力説する一方で、大学から検討状況が伝えられたことについて「唐突な話で驚いている」と困惑する。
 「大学として検討中の話に確定的なことは言えない。情報収集の段階」と話すのは、山形銀の二宮敬彦広報室長。「町、大学と連携した事業は地方創生が目的で、現状で事業の見直しや変更はない」との見解だ。
 古山繁巳町議は「一連の町の姿勢は、大学や研究者に丸投げし過ぎだった」と事業そのものを疑問視する。「山形大が撤退するとなれば、投資してきたさまざまな事業に影響する危機感はあるが、ようやく町が平穏になるとも感じる」と続けた。
 事業推進の立場を取る舟山政男町議は「多額の費用を投じて育ててきた事業なので、これまで通り進めてほしい。頓挫は困る」と構想の行方を懸念した。
 町にセンターが完成したのは16年1月。構想の一環として、研究者らに対応するホテルや屋台村が整備された。
 町商工会の草刈一郎会長は「4年間で少しずつだが町が活性化しており、閉鎖は町にとって確実にマイナス。大学には撤退を考え直してほしい」と訴える。
 町内の観光関係者は「屋台村のにぎわいはほんの小さな現象にすぎないが、小規模な町にとっては新しい動き。仕組みを整えれば観光施設としての可能性もある。センター閉鎖でそれもなくなれば、もったいないし残念だ」と言う。
 センター近くに住む60代女性は「センターができる前、地域の活性化で働く場が増えると町は説明していたが、中で何をやっているのかさっぱり分からない。車もいつも数台しか止まっていない。軌道に乗ればいいが、果たしてどうなるのか…」と不安を口にした。


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2020年01月25日土曜日


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