宮城のニュース

<せんだい進行形>記録的暖冬で消費に異変 

ダウンコートのセールを実施している仙台三越の売り場=27日
売り上げが落ちている灯油の販売コーナー=27日、宮城野区のダイシン幸町店

 高温と少雪という記録的な暖冬傾向で、真冬の商戦に異変が生じている。昨年10月の消費税増税のダメージが残る中、コートや灯油、暖房器具といった冬物商品の売り上げが伸び悩み、仙台市内の百貨店やホームセンターは頭を悩ませる。雪解け水を使う水力発電にも関わり、影響は長期化しそうだ。

 藤崎は昨年9〜12月の累計で、コートやニット、マフラーを合わせた防寒具の売り上げが前年同期比で1割減少した。むしろ季節を飛び越え、今月から春物のワンピースやジャケットが一足早く売れ始めた。
 仙台三越(青葉区)のセレクトショップ「ニューヨークランウェイ」はダウンコートが売れ残り、3〜5割安く販売する。石原成司売出計画マネージャーは「単価の高いコートが動かず、厳しい状況だ。好天で客足は落ちていないので今後に期待したい」と話す。

■別の商品に注力

 宮城県内でホームセンター「ダイシン」を展開するダイシンカンパニー(宮城野区)は、昨年12月〜今年1月の灯油の売り上げが前年同期比で約25%減。灯油の伸び悩みは来客数の減少に直結し、全体の売り上げを押し下げる。融雪剤や車用の解氷剤も鈍い。
 一方で植物関連は動き出しが1カ月以上早まり、先週の売り上げは前年比で4割増えたという。山田憲弘社長は「灯油の売り上げがここまで落ちたのは初めて。今後は季節や天候に左右されない商品構成に変える必要がある」と語る。
 アイリスオーヤマは、セラミックファンヒーターや電気ストーブの販売に苦戦。2019年12月期の決算(速報値)で、単体の売上高は前期比4%増の1611億円を達成したが、伸び率は5ポイント低下した。
 県内工場で製造する除雪用品やカイロも振るわない。担当者は「冬物商品の取り扱いが多く、思った以上に売り上げを伸ばせなかった。今期は4Kテレビやドラム式洗濯機の拡販に力を入れ、2桁成長を達成したい」と語る。

■水力発電影響か

 雪不足は水力発電にも影響する。東北電力の原田宏哉社長は29日の定例記者会見で「暖冬傾向が継続した場合、利益を押し下げる要因として一定の影響はある。降雪量が少ないことで春先に融雪による出水率は低下し、水力発電電力量が減少するのではないか」との見通しを示した。
 七十七リサーチ&コンサルティング(仙台市)の田口庸友首席エコノミストは「冬物商材の売れ行きが悪くても、消費マインドは弱まっていない。逆に天候が良いため、レジャーやほかの買い物に向いている場合もある。暖冬が経済全体に与える影響は大きくない」と指摘する。
 暖冬は冬季(12月〜翌年2月)の平均気温が平年並みを上回る場合を指す。仙台管区気象台によると、東北地方に寒気が南下せず、冬型の気圧配置になりにくいため平年より高い気温が続いている。


2020年01月31日金曜日


先頭に戻る