広域のニュース

ILC格上げならず 学術会議マスタープラン

 日本学術会議は30日、科学的に意義が高い研究計画を示す「マスタープラン2020」を公表した。岩手、宮城両県にまたがる北上山地が建設候補地となっている超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」計画は、速やかな推進が望ましい「重点大型研究計画」に選ばれず、学術的な意義を重視する「大型研究計画」に盛り込まれた。3年に1度策定されるプランでの位置付けは、過去2回と同じとなった。
 ILC計画誘致の政府判断を巡っては、文部科学省が2019年3月に「マスタープランなど正式な学術プロセスで議論することが必要」との見解を示した。プランでの計画の扱いが焦点だった。
 ILCが「重点大型研究計画」に選ばれなかったことで、政府が早期に誘致の是非を判断するかどうかは不透明な状況となった。
 学術会議は18年12月、総額7355億〜8033億円と試算される総事業費などを理由に「誘致を支持するには至らない」と表明した経緯がある。今回も費用面が影響したとみられる。
 マスタープラン策定では全体で165件の提案があり、うち161件を大型研究計画とした。さらに物理学や化学など22分野別の有識者の選考でILC計画を含む59件を絞り込み、提案者へのヒアリングを実施。学術的な意義や実現体制を聞き取り、優先順位が高い31件を「重点」とした。
 ILC計画は14、17年の過去2回のプラン策定の際、いずれも「重点」の選考課程でのヒアリング対象とはならなかったが、今回は初めて意見聴取があった。
 計画を応募した高エネルギー加速器研究機構(KEK、茨城県つくば市)の岡田安弘理事は「物理分野だけではなく、幅広い学術分野の専門家にILCが科学界全体にもたらす意義や国際的枠組みを示すことができた。ヒアリングの場に進めたことは誘致に向け大きな前進だ」と話した。


関連ページ: 広域 社会

2020年01月31日金曜日


先頭に戻る