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福島第1処理水 海洋放出の利点を政府小委強調 大気放出も選択肢報告へ

 東京電力福島第1原発構内でたまり続ける処理水の問題で、政府の小委員会は31日、東京都内で会合を開き、焦点となっている処分方法に関し海洋放出と大気放出の2案を「現実的な選択肢」とする報告書を大筋で了承した。「海洋放出の方が確実に実施できる」とも明記したが、2案に優劣はつけなかった。
 3年余りに及んだ小委の議論は終結し、報告書は31日に出された意見を踏まえた修正を経てまとめられる。政府は地元関係者らに意見を聞いた上で処分方法を今後決めるが、海洋放出は福島県内の漁業者を中心に反対の声が強く、合意形成は難航が予想される。
 報告書は事務局の経済産業省が作成した。地層注入と水素放出、地下埋設を含む処分方法5案のうち、海洋と大気の2案を挙げ「前例があり現実的な選択肢だ」と評価。2案のメリットとデメリットを整理した。
 特に海洋放出のメリットを強調。設備の構成が簡易で、放射性物質モニタリングによる監視が容易なことなどを挙げた。ただ大気放出に比べ優位とまでは踏み込まず、最終的な判断は政府に委ねた。
 報告書は原発事故の風評被害に加え、処理水の処分で経済的な影響が出る可能性が極めて高いことも指摘した。消費者の不安を取り除くため、処分の際に2次処理を確実に実施することや、処理水の濃度データを第三者の測定で公開することなどを求めた。
 第1原発で出た処理水には多核種除去設備「ALPS(アルプス)」で取り除けない放射性物質トリチウムが含まれ、構内のタンクにたまっている。タンクの容量は2022年夏ごろに満杯になるとみられる。
 山本一良委員長は会合後の記者会見で「机上の検討だけでなく、公聴会で県民の声を聞くなど現状把握にも努めた。政府は報告書を踏まえて改めて地元の意見を聞き、方針を示してほしい」と話した。


2020年02月01日土曜日


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